簿記講座の講師ブログ

時価総額がGDP超え! 何を意味する?

 皆さん、こんにちは!
 簿記講座担当の小野です。
 秋も深まってきて、寒い日が増えてきました。皆さん体調管理には十分気をつけて!

 新型コロナウィルスによる経済対策として、すべての国で金融緩和政策がとられ、その結果、株式市場の過去最高値圏が続いていますね(この原稿の執筆時点)。その結果、株式時価総額がGDPを超えるという珍事(?)が起こっています。

 株式時価総額とは上場企業が発行している株式の時価の合計額です。今、ある国の上場企業を買収するとすればいくらかかるかということを表します。2020年末の日本の時価総額は770兆円くらいです。

 一方、GDPは国内の経済活動で生み出された付加価値の合計です。日本中の企業の利益を合計した金額をイメージすればよいと思います(厳密にはちょっと違いますが…)。2020年の日本のGDPは550兆円くらいです。

 このように、2020年には日本では、時価総額がGDPを上回っています。以下の票の通り、アメリカ、イギリスも同じような状態です。でも、1990年には、時価総額がGDPを超えている国はありませんでした。

 さて、これは何を意味するのでしょう?
 GDPはその国のすべての企業が生み出した利益の合計です。
 一方、時価総額は、その国の上場企業だけの株価の合計です。日本には約260万の会社があるといわれていますが、そのうち上場企業はたったの4,000社です。日本の上場企業の株価合計は、日本全体のすべての会社の利益の合計額よりも大きいわけです。

 さぁ、これをどう見るか? 世界はバブルなんでしょうかね?