簿記講座の講師ブログ

頼む! エルドアンさん!

 皆さん、こんにちは!
 簿記講座担当の小野です。
 めっきり寒くなりました。体調管理に気をつけましょう!

 トルコリラが大変なことになっています!
 2014年ごろ1リラ50円くらいだったのですが、2021年末には1リラ10円ほどと、7年で1/5になってしまいました。今、ドルは1ドル110円くらいですが、これが1ドル550円くらいになる感覚です。トルコで何が起こったのでしょうか?

 経済学の教科書では、中央銀行(日本ならば日本銀行)の役割として、景気が悪く(デフレになる)と金利を下げてたくさんのお金を借りてもらい経済活動を活発にし、景気が良くなる(インフレになる)と金利を上げてお金を借りにくくし、経済活動を少し抑えてもらうようにすると説明されています。
しかし、エルドアンさんはイスラム教徒で金利が大嫌いなので、景気が良くても悪くても金利を下げてきました。とくにここ半年くらいは、欧米がコロナ禍から復活する過程で経済活動が活発になり、また原油などが高騰していてインフレ気味になっているため(アメリカ・イギリスのインフレ率は5%を超えます!)、欧米諸国の金利は上がっています。トルコでも原油高騰などが効いてインフレ率が高まっています(なんと25%くらい!)。でも、金利が大嫌いなエルドアンさんは金利を下げてしまいます。すると、世界中の投資家は、自分のお金をトルコリラに投資するより、米ドルや英ポンドに投資するほうが儲かるので、多くの投資家がリラを売ってドルやポンドを買います。そのため、猛烈にリラ安になっているのです。

 もし日本で1ドル110円から1ドル550円の円安になったらどうなるでしょう? もう日本経済は崩壊です。輸入しているモノの値段が単純に5倍になってしまいます。マックのポテトが1,000円超えになったりするわけです。ガソリンも1リットル700円くらいになるでしょう。もう信じられないインフレですね。

 トルコリラは外貨預金やFXで人気があり、多くの日本人が投資していると思います。トルコの人々も輸入品の価格が暴騰して困っているでしょうが、多くの投資家も困っているでしょう。エルドアンさん、何とかして!