簿記講座の講師ブログ

高水準の貯蓄率から思うこと

 皆さん、こんにちは!
 簿記講座担当の小野です。
 はやく暖かくならないかなぁ。

 2021年の家計調査によると、勤労者世帯(世帯主が勤労者である世帯)の平均貯蓄率は34.2%となりました。貯蓄率は「貯蓄額÷可処分所得(税・社会保険控除後の手取り額)」で計算します。つまり、平均的な世帯では、手取り額のうち1/3程度を貯蓄しているということです。
 現在、国税庁の調査によると、正規雇用・非正規雇用を含めた平均給与は433万です。約70万円が社会保険料(給与の16%程度)として控除され、基礎控除のみですると所得税・住民税で約30万円徴収されます。ですから、手取りは約330万円程度でしょうか。このうち110万円を貯蓄している計算になります。

 平均給与額で考えると約110万円という貯蓄額は猛烈ですよね。ただ、これだけの貯蓄を行うのは現実的には難しいのではないかと思います。ということは、高所得者による貯蓄が全体を引き上げているということでしょうか。

 それにしても、国民全体の手取り額のうち34%が貯蓄されているというのは過去最大です。2000年代は17%くらいで推移していました。バブル崩壊後、なかなか景気が良くならない中でも17%くらいだったわけです。今は、その倍の水準です。一部の高所得者の貯蓄だけで引き上げられるレベルではありません。

 そう考えると、国民の多くが貯蓄率を高めているのは事実なのでしょう。
 なぜ、貯蓄するのか?
 いろいろな考えがあるでしょうが、最も有力なのは将来不安説(年金不安、健康不安などなど)です。将来が不安なのでできる限り貯蓄を増やす行動をしているということですね。どうすれば将来不安を感じなくてすむのか? 

 個人的には家族形勢だと思います。自分一人で生活している場合、自分が病気にかかると大変なことになります。でも、夫婦ならば、夫が病気にかかっても妻が働いていれば一気に崩壊することはありません。また、子供がいれば、老後もいろいろな連携が可能になります。

 投資の王道はリスク分散です。人生もリスク分散できるとラクになると思いませんか?