簿記講座の講師ブログ

勤労者皆保険

 皆さん、こんにちは!
 簿記講座担当の小野です。
 だんだん、春っぽくなってきました。眠くならないように!

 岸田総理が、「勤労者皆保険」の実現に向けた検討に着手しました。
 現在、すでに、年金・健康保険では「国民皆保険」が達成されています。
 サラリーマン以外の方は国民年金・国民健康保険、サラリーマンならば厚生年金・会社(業界)ごとの健康保険に入っていますから、すべての国民がどちらかに入っていて、年金と医療に関する社会保障は完備しています。

 弱点といえば、国民年金・国民健康保険の場合、その保険料の全額が本人負担となり、かつ、国民年金は給付水準が低いことです。一方、厚生年金・会社(業界)ごとの健康保険の場合、本人はその保険料の半額だけを負担し、残りの半額は会社が負担します。ですから、サラリーマンの場合、自分が負担している保険料水準の倍の年金・医療給付を受けることができます。
 
 今回、岸田総理が検討を始めた「勤労者皆保険」は国民年金・国民健康保険のデメリットを解消して、サラリーマン以外の方の年金給付水準を上げることが目的のようです。ということは保険料も上がるわけですが、「誰が上がった保険料を負担するのか」という点に焦点が絞られるでしょう。

 国民年金・国民健康保険に加入しているサラリーマン以外の方は、その多くが自営業です。個人で事業を行っている方もいらっしゃるでしょうし、ギグワーカーのような様な働き方を選択してらっしゃる方もいらっしゃるでしょう。いずれにしても、会社に所属していませんので、この方々の保険料をどこかの会社が負担するということはありえないでしょう。

 では、一体、誰が負担するのか? 誰も負担したくないでしょう。税金を投入すると、また別の問題が起きそうですから、それも難しそうです。

さて、どうなるでしょうか? 選挙前ですから、バラマキにならないような制度設計がなされるように特に注視しないといけませんね。