簿記講座の講師ブログ

人材? 人財?

 皆さん、こんにちは。
 簿記講座担当の小野です。
 皆さん、夏休みはいかがお過ごしですか? 
 いろんな制限があると思いますが、少しでもリフレッシュしながらがんばりましょう!

 「人は企業活動の源泉」、「企業は従業員を大切にして、従業員へ投資することが重要」などといわれますね。しかし、一方で、平均給与はこの20年で大幅に下がってしまっておりますし、ブラック企業・リストラなんて言葉が当たり前のように使われている時代でもあります。はたして、企業にとって従業員は単なる人材(コスト)なのでしょうか? それとも人財(資産)なのでしょうか?

 従業員をコストと考えるならば、企業はそのコストを低減するような行動をとる(給料を減らす)でしょう。コストを減らすほど利益を増やせて、その結果企業価値が向上するからです。コスト(給料)を減らしても企業が得られるサービス(従業員の労働力)が同じであれば、できる限りコストを減らそうとするでしょう。

 一方、従業員が資産であれば、その資産を最大化するために、効率的な追加投資を続けていくでしょう。資産の価値が高くなるほど、その資産が生み出す利益が大きくなり、企業価値が向上するからです。したがって、企業は従業員への投資(給料、研修機会など)を積極的に行うでしょう。
 
 では、本当に従業員へ投資している企業の価値は向上しているのでしょうか?
 従業員への投資が大きい企業へ投資するファンドがあります(日興アセットマネジメントの日本株人材活躍戦略ETF)。このETFは過去5年で46.39%値上がりしています。一方、TOPIX(東京証券取引所に上場している企業の株価指数)は過去5年で28.68%の値上がりです。
 日本企業全体の企業価値(株価)は上がっていますが、従業員への投資が大きい企業はより高い企業価値(株価)となっています。

 このように、従業員を人財と捉え、そこにできる限り多くの投資を行う企業の価値は大きく高まっています。ホワイト企業は従業員に優しいだけでなく、投資家にも優しい企業ということですね。