簿記講座の講師ブログ

投資の国、日本!

 皆さん、こんにちは!
 簿記講座担当の小野です。
 寒い日が続いていますが、カゼなどをひかないように、体調管理に気を付けて!

 貯蓄から投資へ。ここ10~20年、ずっと言われてきましたね。個人資産を増加させるために、預金するだけではなく、株式・債券投資を行うよう推奨されています。
 その結果でしょうか。日本の海外所得(外国からの利子・配当等)は継続的に増加しています。2000年は年間12兆円ほどだったのですが、2021年は38兆円ほどになりました。20年間で3倍ですね!

 2021年の内訳は
 ①証券投資による利子・配当18兆円ほど(2000年は10兆円ほど)
 ②海外子会社から日本の親会社への配当10兆円ほど(2000年は1兆円ほど)
 ③海外子会社の内部留保10兆円ほど(2000年は1兆円ほど)
です。
 このうち、個人が直接受け取るのは①であり20年で2倍に増えています。企業が海外企業の株式等を売買して得た利益も含まれるでしょうが、個人が受け取った利子・配当も徐々に増えているのでしょう。

 ②と③は猛烈な増加ですね。20年で10倍になっています。②と③は日本企業の利益としてカウントされるので、個人が日本企業に投資していれば(日本企業の株式を購入していれば)、日本企業からの配当・株価を通じて、個人が受け取ることになったでしょう。

 このようになんだかんだいっても、日本全体としては貯蓄から投資へ向かっていることは間違いなさそうです。ただし、手放しで喜ぶことはできなさそうです。というのは、利子・配当の受取は激増していても、その逆(日本企業から海外企業への利子・配当の支払)はあまり増加していないからです。ということは、海外からの投資は増えていない、あるいは日本国内の事業では稼げないということですね。

 海外へ投資してそこから利益を得ること、それと同時に国内の経済も活発にしてもうかつ経済活動を行っていくこと。どちらにも目を配りながらやっていかなければならないですね。