簿記講座の講師ブログ

お金を使わない国、日本!

 皆さん、こんにちは!
 簿記講座担当の小野です。
 まだまだ暖かくなりませんね。カゼなどをひかないように、体調管理に気を付けて!

 行動制限も徐々に解除されつつあり、コロナ前の日常生活に戻りつつあります。
 コロナによって消費が抑制されていましたが、あちらこちらの商業施設・観光地は多くの人々で賑わうようになってきました。先日、浅草の浅草寺にいきましたが、それはもう、多くの人でごった返していました(外国人の方もとても多かったです)。

 ここ3年は、飲食店を利用する機会、旅行に行く機会などが激減しました。ということはその分だけ多くの人の財布の中にお金が残っているはずです。また、個人への現金給付も多々ありました。2020年に給付された一律10万円をはじめ、求職を余儀なくされた方々への給付、事業を行っている方への給付などなど、国から個人への現金給付は20兆円を超える規模です。

 日銀はこういったお金の動きを「コロナ貯蓄」と呼び、21年末で50兆円になると推計しています。その後、大和証券が2022年9月末で62兆円になると試算しました。GDP比で10%を超える額になっていますが、2020年から右肩上がりで増え続けています。

 一方、欧米諸国ではコロナ貯蓄が横ばいあるいは減少に転じています。
 ヨーロッパでは2020年中は増加したものの、2021年以降、横ばいとなっています。つまり、2020年は外出が難しい時期が続いたため、その分だけコロナ貯蓄は増えましたが、2021年になると消費が再開されコロナ貯蓄は増えませんでした。ただし、コロナ貯蓄を取り崩す消費にまでは至っていないようです。
 米国は2021年から減少に転じました。つまり、2020年はヨーロッパと同様、コロナ貯蓄が増えましたが、2021年からは2020年のコロナ貯蓄を取り崩しながら消費を拡大させました(リベンジ消費なんて言われましたね)。

 なぜ日本はコロナ貯蓄が増え続けるのでしょうか? 大和証券の分析によると、将来不安がコロナ貯蓄を取り崩させないように作用しているとのことです。年金・雇用不安が貯蓄の取り崩しを許さないのです。

 今の日本で、将来不安が短期的に解消することはないでしょう。ということは60兆円を超えて貯まっているコロナ貯蓄が消費に回ることはほぼ考えられず、リベンジ消費がなされることはないということになるのでしょうか。
 確かに将来不安はいかんともしがたいとは思いますが、税制等をうまく使って、何とかこの貯蓄が消費に回り、改めて個人の収入になるような循環を創り出すことはできないものでしょうか?