簿記講座の講師ブログ

住宅の価格高騰が少子化に影響する?

 皆さん、こんにちは!
 簿記講座担当の小野です。
 まだまだ時々寒い日が到来します。皆さん、体調管理には十分気をつけて!

 物価上昇が続いています。スーパーに行っても、飲食店に行っても、結構驚くくらいの値上げですよね!
住宅も例外ではありません。首都圏の新築マンションの平均価格は6,288万円と過去最高水準で推移しています(不動産経済研究所調べ)。ただ、単に値上がりしただけではなく、専有面積が狭くなりながら値上がりしているんです。不動産経済研究所によると、首都圏のマンションの平均専有面積は65~66平米と推計されます(ちなみに近畿圏は60平米)。2011年が約70平米でしたので、この10年で5%狭くなりつつ、価格は20%以上上がっています。実質25%くらいの値上がりというわけです。

 ここで気になるのは、住宅価格の高騰が少子化に影響するのではないか? ということです。国が「豊かな生活」の目安として定める住居の面積は、3人家族の場合65平米です。つまり、首都圏では、マンションに住むと、平均的な3人家族は「豊かな生活」を送れるか送れないかの瀬戸際に立たされているということになります。実際に国立社会保障・人口問題研究所の調査では、子供を持たない理由のうち「家が狭いから」が21.4%となっています。
 では、家族持ちを郊外に住ませようとすると、同研究所によると、通勤時間が10分長くなると出生数が4%減ります。こうやって見てみると、平均的な家族が平均的な家を持つことが難しくなっていることが分かります。

 政府・企業は1990年代初頭から若者世代から搾取を続けました。団塊世代の引きこもり率はかなり高い水準ですし、20代・30代の賃金は、30年前の2割減です。最近でこそ賃上げのムードも出てきましたが、「異次元の少子化対策」を謳うのであれば、子ども住宅手当などの名目で、子どもがいる世帯には家賃の半分を補助する(あるいは持家・賃貸かかわりなく一定額を給付する)などの政策があってもいいのかもしれません。

 子ども関連の政策だけにお金をかけることへの懸念も聞かれますが、その前に子どもを持っている層は搾取され続けてきたのですから、大盤振る舞いしすぎるくらいでプラマイゼロになるのかもしれませんね。