皆さん、こんにちは。
簿記講座担当の小野です。
まだまだ連休の疲れがとれませんが、皆さんは全開ですか?
とうとう金利100%の世界が出現しました。
アルゼンチン政府は、5月中旬に金利を6%引き上げ、政策金利が97%になりました(政策金利とは中央銀行がその国の基準となる金利です)。4月中旬に3%、4月末に10%、そして5月中旬に6%の引き上げです。この1ヶ月間に金利が20%もアップしたんです! いまだに△0.1%の政策金利である日本からみると金利が高いのは羨ましい気もしますが、金利が高すぎるのはとても大変でしょう。
政策金利を上げざるを得ない主な理由は、国内のインフレがとても激しいからです。インフレ(物価上昇)を止めるためには経済活動を抑制するのがセオリーです。インフレの世界では、消費者が値上がりする前にモノ・サービスを買おうとしてさらにインフレになるというサイクルになります。それを食い止めなければならないわけです。
モノ・サービスがあまり売れなくなる(買う人が少なくなる)と値下げ圧力が高まってきますので、結果としてインフレは収まり、正常な経済へ近づきます。経済活動を抑制するためには、企業が経済活動を行うための資金を調達する際にかかる金利を上げて、資金調達をしにくくするのが有効です。当然ながら資金調達できずに倒産する企業も出てくるでしょう。でもそうやってわざと景気を悪くして、ものが売れない世界に近づけるわけです。そのため、インフレ対策には金利アップで対応されることになります。
ではアルゼンチンではどのくらいのインフレなのでしょうか? なんと驚きの108%のインフレとなっているんです! 1年でモノ・サービスの価格が平均して2倍!になっていく世界です。
来年車を買おうとしたら価格が2倍になると言われると皆さんならどうしますか? 車が絶対に必要なら、早いうちに買っておこうと思いますよね。これがインフレを加速させるわけですが、アルゼンチンでは加速度的にインフレが進んでいて、その結果、108%のインフレ率なんです。
「来年は価格が2倍になる」という世界を想像することはなかなか難しいですが、こんなことも現実に起こるということをしっかりと記憶して、今後の世界の動きについていかなければなりませんね。