簿記講座の講師ブログ

花粉症の損失3,800億円(四半期)

 皆さん、こんにちは。
 簿記講座担当の小野です。
 暑い日の中、突然涼しい日があったり。絶対に体調は崩さないように! 

 なんとその額3,800億円!
 1月〜3月に、あることから生じている損失です。
 1月〜3月といえば、そう、花粉症です。
 第一生命経済研究所の研究によると、2023年1〜3月期の花粉症による経済的損失が3,800億円と試算されました。外食やレジャーで消費がかなり落ち込んだ模様です。現在、児童手当を高校生まで拡大する案が検討されていますが、300万人強の高校生につき1万円ずつ給付すれば年間で約3,600億円ですから、その大きさは大変なものだと思います(異次元の少子化対策のための財源がないって騒いでますよね)。
 
 この花粉症、昔からこんなに騒がれていたかというとそうではありません。私は大学卒業まで緑豊かな田舎暮らしでしたが、小中高大と周りの友達の多くが花粉症に悩まされていた記憶は全くありません。多少はいたかもしれませんが、現在のようにこんなに多くの方々が悩んでいませんでした(皆さんの周りではどうですか?)。

 しかし、今は、小学生から多くの子どもたちに花粉症の対策が必要な時代です。うちの2人の息子も、両方とも花粉症で苦しんでいます。定期的に耳鼻科に通い、薬をもらいながら、2月ごろから5月ごろまでできる限り花粉に触れない生活をするしかありません。GWごろになるとやっと出かけられるようになる感じですね。

 では、なぜ最近になって花粉症に悩まされる人が増えてきたのでしょうか? 大きな理由の一つは植林政策の結果であるということです。戦後、森林破壊が進み、多くの木が伐採されました。そこで、政府は森林を再生産し、木材の供給を円滑にするための植林政策を進めます。しかし、植林が進み、ある程度木が育ったころ、木材市場には安い輸入木材が流入していて、国産木材は売れなくなってしまいました。
 売れない木は放置されます。その結果、森林が整備されないまま、花粉だけが大量生産されるようになってしまいました。

 しかし、最近はまた変化が生じています。日本の経済力が相対的に弱くなったため、海外産の木材がそれほど安くない状況になったのです。そうなると、国産木材の需要が高まります。そこで、政府は国内林業を再構築しながら、国産木材が使われるような政策を始めています。

 すぐに杉の木が減って、花粉の量が減ることはないかもしれませんが、少しずつ改善に向かっていけばいいなと思います。