皆さん、こんにちは!
簿記講座担当の小野です。
暑くなってきました! 暑いだけで疲れますが、体調管理には気をつけて。
映画の世界の出来事が1つ現実になりました! なんと、京都大学の研究者が、事故などで指の神経が切れて、指を動かせなくなった患者の皮膚細胞を材料にして、「バイオ3Dプリンタ」を使って人間の神経を作成し、患者に移植したところ、指の感覚が戻り、仕事に復帰できるまで回復したそうです。
仕組みはこうです。
・患者から細胞を培養して増やす。
・その細胞を3Dプリンタで円柱状に組み上げる。
(細胞を円状に並べて、それを積み上げていく)
・この時組み上げた細胞が崩れ落ちないように、串を刺して固定する。
(串が細胞を傷つけないように刺す、という超高難度作業)
・しばらく時間がたつと細胞同士がくっついて、完全な円柱となる。
・この円柱は神経導管という神経が伸びるのを促す組織。
・この円柱を傷ついた神経の先端に移植してあげると、傷ついていた神経が再生し、見事に指の感覚が戻り、仕事に復帰できる程度まで機能も戻った。
もう映画の中の世界ですね!
人間を人工的に作っていいのかという議論は当然ありますが、少なくとも、病気やケガで苦しんでいる人たちを助けることができる技術は是非とも実現してほしいと思います。
こんな研究はまだ始まったばかりかと思っていると、他にもいろいろな研究があるようです。
長崎大学は、ラットを使って呼吸器系臓器の損傷を再生させる実験を成功させています。10年後にはヒトへの移植を目指して研究が進められています。
アメリカの3Ⅾバイオセラビューティクスという会社は、患者の細胞から耳を作り出し、先天性の患者に移植する実験を始めています。
アメリカのスタンフォード大学は心臓組織の作製を目指す研究を進めています。
世界のいろんな研究機関が様々な臓器作製の研究を進めているところですが、今回の京都大学の研究成果の最大の特徴は、3Ⅾプリンターで臓器を作り出すというところだそうです。究極的には、患者から細胞を採取して、その細胞を3Ⅾプリンターに入れ、ボタンを押せば目的の臓器ができる世界につながります。そのうち、3Ⅾプリンターで作られた臓器(のもととなる細胞)をカプセルに入れて飲めば(あるいは注射すれば)、からだ中どこでも目的の場所まで届けてくれるトランスポーター細胞なんてものも開発されるかもしれません。もうワクワクしかありませんね。
もちろん、倫理上の問題、コストの問題など超えるべきハードルもかなり高いと思われます。それでも、3Ⅾプリンターが病気やケガの救世主となる可能性の出現に興奮してしまいました!