簿記講座の講師ブログ

24時間発電できる太陽光発電

 皆さん、こんにちは!
 簿記講座担当の小野です。
 はやく夏休みにならないかなぁ!

 先日の3Dプリンタで臓器作製の話に続き、夢の世界のお話が続きます。

 アメリカのカルテックという企業が、宇宙に広げた太陽光パネルで発電した電気を、地球の地上までマイクロ波で送電することに成功しました。昔見た、資源を取りつくした地球が舞台になっていたアニメの中では、宇宙空間に浮かべた太陽光パネルでエネルギーを作り出し、それを地上に送電するという設定でした。まさに、そのアニメの世界に現実が追いついたわけです!

 宇宙では、太陽光を遮るものがありませんので、究極の発電効率を実現できます。宇宙システム開発利用推進機構の試算によると、宇宙での太陽光発電は地上での10倍程度になるそうです。地球が傾いているため、宇宙空間ではほぼ24時間の発電が可能であり、かつ、曇りもなく、ずっと発電し続けることができるからです。それを24時間地上に送電できれば、夜も太陽光による電気を使える夢の世界になります。

 太陽がなくならない限り24時間絶対に発電し続けるエネルギー源が現実になると、世界の勢力図は大きく変わるでしょう。今は原油の販売でお金を稼いでいる国(ロシアや中東など)は特に大変です。一方、原油を買うためにたくさんの富を産油国に払っている国は勢いづくでしょう。
 
 日本は宇宙太陽光発電の分野でかなり先をいっていて(1980年代に世界各国が宇宙太陽光発電に力を入れなくなりましたが、日本は継続して研究を蓄積してきたそうです)、2030年に1辺が30m級の太陽光発電パネルを宇宙に浮かべ、2050年には1辺が2km級の太陽光発電パネルで原発1基分の電力を送電する計画です。もうワクワクが止まりませんね。

 問題は当然ながらコストです。2km級の太陽光発電パネルを宇宙に浮かべるためには、現在、打ち上げ1回あたり100億円かかるH2Aロケットを数百回飛ばさなければならず、それだけで数兆円。宇宙に浮かべるパネル、地上で電気を受け取るアンテナなどなど様々な設備を作って、運用することが必要で、2km級の太陽光発電パネル一式で数兆~数十兆円かかりそうです。
 
 もちろん、様々な研究の進展によってこのコストはどんどん下がっていくでしょう。一方で、今年は7月だけの猛暑日だけで、過去最高になるくらい温暖化が進んでいます(国連の総長は地球沸騰といい始めましたね)。国連が設定した温暖化目標が達成できるくらい早く、コストが下がってくれないと、もう私たち(の子供たち)はどうなってしまうのか?というところまできています。

 宇宙太陽光発電にワクワクすると同時に、切実に願う今日この頃でした。