簿記講座の講師ブログ

設備投資100兆円!

 皆さん、こんにちは。 
 簿記講座担当の小野です。
 皆さん、夏休みはいかがお過ごしですか? 
 いろんな制限があると思いますが、少しでもリフレッシュしながらがんばりましょう!

 永いこと眠っていた日本経済がとうとう動き出したかもしれません。
 2023年度の企業の設備投資が100兆円の大台に乗りそうだからです。
 設備投資100兆円はバブル期以降の最高額であり、バブル崩壊後30年にわたって守りに入っていた経済が、攻めに転じているのかもしれません。

 設備投資は生産性を上げるとともに、その設備を製造するための経済活動を活発にするため、経済前提への波及効果が極めて大きい支出です。企業が稼いだお金を貯めておけば、企業のピンチの時に役に立つかもしれませんが、貯めたお金が企業の経済活動を効率化させたり、他の会社の経済活動を誘発させたりすることはありません。しかし、企業が設備投資をすれば、その新しい設備によって効率的に生産活動を行うことができますし、その新しい設備を作って、納品し、アフターサービスをする企業の活動を促進させます。今やレストランに行けば、各テーブルにタブレットが置かれています。レストランはタブレットという設備投資をしているわけです。その場合、お客さんが勝手に注文を入れてくれますよね。つまり、その分だけ店員さんの仕事が省かれて、店員さんの仕事の効率性が上がるわけです。そして、タブレットをテーブルに設置するためにはタブレットを作って、納品し、セッティングする企業が活動することになります。こうやって、設備投資は経済を活性化するわけです。

 バブル末期の1990年頃、90兆円を超える設備投資が行われていました。しかし、バブルが崩壊し90年代の設備投資は70兆円前後でした。ピークから2割くらい少なかったんですね。その後2008年に向かって90兆円近くになりましたが、2008年に起きたリーマンショックで一気に65兆円くらいまで減ってしまいました。そこから2020年に向かってまた85兆円くらいまで増えましたがコロナショックで75兆円まで減ってしまい、2023年に100兆円まで一気に増加したようです。

 これまで節約節約でやって来た経済活動も限界になり、人手不足をフォローする必要もできたり、多くの企業がこれまでのやり方では企業活動を続けられないという状況に直面しているのでしょう。何とか、この動きが続いてほしいものです。