簿記講座の講師ブログ

いつのまにか供給過多

 皆さん、こんにちは。
 簿記講座担当の小野です。
 まだまだ暑い日が続いていますね! 夏バテには十分注意しましょう!

 コロナショックで世界の経済活動が抑制され、様々な物資の供給が滞り始めているところに、ロシアのウクライナ侵攻で民主主義国家と覇権主義国家の間の取引がどんどん少なくなり、様々な物資の供給が一気に減ってしまいました。半導体の問題は一躍有名になりましたよね。

 台湾・韓国・アメリカの半導体メーカーの多くは中国に半導体工場を持っています。しかし、コロナショックで中国の工場からの出荷が滞り、かつ、米中対立で中国との戦略商品の貿易が禁止されてしまいました。その結果、半導体を使った製品の製造が一気に遅れ気味になりました。車を作れなくなったということがとてもクローズアップされましたが、大半の電化製品の生産が滞りました。パソコンも足りない、テレビも作れない、などといわれましたが、なかでも給湯器は日本国内の在庫が尽きてしまって、給湯器が壊れたら3か月待ちという状態にまでなりました。

 しかし、急速な供給網の再整備の成果でしょうか、様々な製品の供給制約がなくなってきました。車の納車時期も徐々に早くなってきていますし、給湯器に至っては過剰在庫が心配されるほどの回復です。ただ、世代的なことを考えるととても心配になります。

 私は1975年に生まれましたが、景気の影響などが分かるようになったのはバブル崩壊後です。大学を卒業したのも1997年ですから、「失われた10年」の真っただ中でした(結局、「失われた30年」になってしまいましたけどね…)。そんな時代に生きてきたので、常に需要<供給=デフレの状態の世の中で生きてきたため、モノが足りなくて入手できないという世界を知りませんでした。しかし、ここ数年は自動車ディーラーに行っても「すぐに車を売ることは出来ません」といわれますし、人手不足のため飲食店やホテルはいつも混んでいるし、需要>供給という経験を初めてしました。あぁ、世の中、何が起こるかわからないんだなというわけです。

 私は団塊ジュニアで200万人を超える同級生がいる世代です。一方、昨年生まれた赤ちゃんは77万人でした。今後は、私たちが何かを需要しても、それを供給できる人たちは私たちの1/3しかいない時代です。今後も供給不足を前提にライフプランを考えないといけませんね。