簿記講座の講師ブログ

米中分断と環境破壊

 皆さん、こんにちは!
 簿記講座担当の小野です。
 行楽の秋。遊びに行きまくりたいですね! でもダメか・・・。勉強しなきゃ。

 米中分断が止まりません。米国は中国へ、半導体製造装置などの社会でかなり重要な製品を作るための材料・設備等の輸出を禁止しています。また、中国産のものを使った製品を米国内に受け入れないようにしています。
 そのため、中国に輸出していた企業や、中国から輸入してきた企業は、その取引先を大きく変更しなければならない事態になっています。自らのビジネスは続けなければいけませんから、売る相手や仕入れの相手を中国企業以外に変更しているわけです。俗にいうサプライチェーンの再構築といわれる行動です。

 政治的な問題で経済的な取引を行わないというのは、ある意味理解できるわけですが、一方、環境やSDGsに関する問題が生じており、それにも対応していかなければなりません。この夏は猛暑日が過去最高になるくらい地球温暖化が進んでいます(国連総長は地球沸騰化というくらいです)。
中国企業はそれなりに製造プロセスを効率化して環境問題にも対応してきました。その中国企業をサプライチェーンから外しています。外された中国企業の代わりに取引先となるのは東南アジア・アフリカ・南米の企業です。ただ、それらの企業は、環境対策をまだあまり進められていません。そのため、ここから5年間で産業界からのCO2発生量が2割程度増加すると予想されています。中国と取引するのをやめるか、地球が暑くなるのを止めるかという選択を迫られているわけです。

また、東南アジア・アフリカ・南米の企業では、児童労働リスクや強制労働リスクが高まります。ユニクロやナイキがこれらの問題で対応したことは記憶に新しいですね。国連はSDGsを推進しています。そんな世の中で、児童労働リスクや強制労働リスクがあると、取引先を変更するのにも躊躇してしまいます。

汚染水の排出に理不尽な対応をしてこられると、こちらも感情的な対応をしたくなりますが、その結果、地球が暑くなって自分たちの首を絞めるということにまで気を配っていかないといけないのです。

個人のレベルでできることは少ないですが、そういった声を政治に届けていかないといけませんね。