皆さん、こんにちは!
簿記講座担当の小野です。
まだまだ暖かくなりませんね。カゼなどをひかないように、体調管理に気を付けて!
2024年度の一般会計予算が112兆円程度になりそうとの報道がありました。
その内訳は以下のとおりです。
①社会保障費(年金・医療・介護・福祉)37.7兆円
②国債費(借金の返済・利息の支払) 27.0兆円
③地方交付税交付金等 17.8兆円
④防衛費 7.9兆円
⑤公共事業 6.1兆円
⑥文教・科学振興 5.5兆円
⑦その他 9.1兆円
国が主導する政策は⑤~⑦の部分だけであり、その中でも⑦が国の裁量がある部分といえるでしょう。つまり、国家予算112兆円のうち①~⑥の部分103兆円は、国民のためにルーティンとしての支払われるものです。年金は、直接国民へ支給されますし、私たちが3割しか払っていない病院代の残りも国から支払われています(といっても、その原資は税金ですから、結局、すべての医療費を私たちが払っているのですが…)。
このように、ほとんどの予算は国民生活に直結する部分に使われていて、それを減らすことはかなり難しいものです。もしかすると、公共事業として支出する額のうちの一部が不適切に使われていたりするのかもしれませんが、仮にあったとしてもその額が1兆円になることは絶対にないでしょう。
政府も入札を行うにあたって、ほとんどのケースでは適切に予算を執行しているはずですから、6.1兆円の予算のうち1兆円(16%)が不適切な支出になることは考えにくいでしょう(会計検査院の検査もありますから、そんな大胆な不適切な支出は難しいでしょうね)。せいぜい2~3%の不適切支出がせいぜいではないでしょうか。金額にすると1,200億円~1,800億円です(それでも巨額ですから、絶対に許してはなりませんが)。
一方、①については、私たちが支払う年金保険料・健康保険料・介護保険料も上乗せされて、年金として高齢者へ、医療費として病院へ、介護費用として介護施設へ支払われ、その総額は150兆円近くになります。もしここに2~3%の不適切支出があると、税と社会保険料から3兆円~4.5兆円の不適切な支出が行われることになります。公共事業の不適切支出どころではありません!
また、現在、国の借金は1,000兆円を超えています。返済する額よりも新たに借入額が多い状態ですから、基本的に、この借金が借り換えされている状態です。すでに行った借金の利率は、金利が低い時のものですが、今後借り換えが進んでいけば2%程度の利息を支払うことになるでしょう。そうなると、利息だけで60兆円を支払う時代が到来するかもしれません(ちなみに、すでに財務省は今後の想定金利を1.9%と見積もっています)。今よりもプラス40兆円です…。
財務的な管理の要諦は金額が大きいところ、影響力が大きいところからチェックしていくことです。不適切な公共事業などのチェックももちろん必要ですが、やはり①・②への対応がうまくできるかどうかが、今後の最大のポイントになると思います。
そういった視点から国を監視していく必要がありそうですね。