簿記講座の講師ブログ

人口集中の加速

 皆さん、こんにちは!
 簿記講座担当の小野です。
 はやく暖かくならないかなぁ。

 地方創生が叫ばれて久しいですが、現実は都会に人口が集中する流れが続いています。
 総務省が公表している「住民基本台帳人口移動報告」によれば、1970年代から昨年まで、東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)への転入がマイナスだったのは1994年だけです。他の年はすべて東京圏への転入がプラスになっています。つまり、バブルが崩壊しようが、地方創生を叫ぼうが、コロナが発生しようが、地方で生まれた人が東京圏へ転入し続けているということです。ちなみに大阪圏はプラスだったりマイナスだったりしますが、名古屋圏はほぼマイナスですから、全国から東京圏に人が集まっているという状況です。

 2022年の統計にもとづくと、人口は、東京1,390万人、神奈川927万人、埼玉732万人、千葉621万人であり、日本全体で1億2,500万人ですから、東京圏の人口は日本全体の29.36%を占めます。
 一方、面積は、東京2,194㎢、神奈川7,103㎢、埼玉3,797㎢、千葉5,157㎢であり、日本全体で377,975㎢ですから、東京圏の面積は日本全体の4.83%でしかありません。

 その結果、東京圏は人でギュウギュウになり、住宅価格をはじめとする物価が高騰し、住みづらい地域になってしまっています。東京23区の新築マンションの平均価格が1億円を超えたニュースは有名ですよね。厚生労働省のデータによると2020年の東京都のサラリーマンの平均年収は555万円といわれていますが、新築マンションを買うのはかなり難しいでしょう…。その結果、郊外から長時間通勤するか、都内の狭い賃貸物件に住むかという選択になってしまい、結果として子供を持てない状態(少子化)が進んでいるという指摘もあります。

 日本全体の人口が減っていくのですから、すべての地方を創生させることはできないでしょう。一方で、東京圏への集中を放置するのもまずいでしょう。地震が東京圏を破壊してしまったら大変なことになります。
そこで現実的な解決策は、独立できる地方の中核都市をいくつか作ることでしょう。札幌・仙台・名古屋・大阪・福岡という中核都市が、規模が小さい東京になるように、分散させつつ、集中させる作戦が現実的なのだろうなぁと思います。

 札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・福岡という6つの都市圏の人口が1,000~2,000万人前後になり、それ以外の人が各地方にばらけるようなイメージです。極端化すれば日本という国の中に6つの州が独立して存在するような道州制が理想なんでしょうね。
 
 ある程度人口が集中しなければ先進的なサービスを始めることが難しくなりますし、様々なサービスのコストを下げることができません。一方で、人口が集中しすぎると弊害が大きくなりすぎます。現状は、集中しすぎの状態でしょう。

 といいつつ、千葉に住んでいる私が、東京圏から他の地域へ引っ越せと言われると難しいのも事実ですが…。