ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

日本銀行の金融政策変更により市場・家計にどう影響を与えるか?①

皆さん、こんにちは。
フォーサイトFP専任講師の伊藤です。

今月はまず、日本銀行の金融政策変更に関する内容をお届けしたいと思います。

■マイナス金利解除へ
 2024年3月19日に、日本銀行は金融政策決定会合において、マイナス金利政策を解除しました。17年ぶりの利上げということで大きく舵を切ったのです。この金融政策の変更とは具体的にどのようなことなのでしょうか?また、その結果、市場や家計に与える影響にはどのようなことが考えられるでしょうか。解説していきたいと思います。
 まず、今回の金融政策決定会合では、大きくわけて3つの点が政策変更されることになりました。1つ目が、政策金利の変更です。政策金利は、日本銀行当座預金の一部に課せられていたマイナス金利(-0.1%)から、無担保コール翌日物の金利に戻しその金利を0~0.1%とします。マイナス金利を解除し、ゼロ金利政策へ変更したのです。これにより、今後の政策金利は無担保コール翌日物の金利となります。
 2つ目として、長短金利操作(イールドカーブコントロール)の枠組みを撤廃しました。今後の金融調節は短期金利で調節していくことになります。ただし、急激な変更とならないように、これまでと概ね同程度の金額で長期国債の買い入れは継続されます。なお、日本銀行が利回りを指定して国債を無制限に買い入れる措置、いわゆる指値オペも手段として残されることになります。
 3つ目として、ETFおよびJ-REITについて、新規の買い入れを終了します。CPや社債等については、買い入れ額を段階的に減額していき、2025年3月をめどに買い入れを終了することになります。
 こうした金融政策の変更が大きく影響を与えるのか?そうではないのかについては、次回に続く・・・。

<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。

次の問題に答えなさい。

【問題1】
退職により健康保険の被保険者資格を喪失した者が、健康保険の任意継続被保険者になるためには、資格喪失日の前日まで継続して1年以上の被保険者期間がなければならない。

<解答>×
不適切。退職により健康保険の被保険者資格を喪失した者が、健康保険の任意継続被保険者になるためには、資格喪失日の前日まで継続して2ヵ月以上の被保険者期間がなければなりません。任意継続被保険者は、最長で2年間加入できます。

いかがでしたでしょうか?
それではまた次回、お楽しみに★