ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

債券の種類と利回り計算

皆さん、こんにちは。
講師の伊藤です。
今日は試験でも良く出る内容の一つとして、債券の種類と利回り計算について解説していきましょう。

債券と一口にいっても様々あります。ここでは代表的な債券の種類について解説するとともに、債券の利回りについても確認をしていきましょう。

債券の分類方法として、まず利息が付くのかつかないのかといった観点から「利付債」と「割引債」に区別することができます。利付債とは、利子が定期的に支払われる債券をさします。一方、割引債とは、利子が付かない代わりに発行時に額面以下で発行されます。

次に、発行体による分類方法があります。政府(国)が発行する債券は「国債」、都道府県や市町村が発行する債券は「地方債」といいます。企業が発行する債券は「社債」であり、社債には転換社債やワラント債など様々な種類があります。

通貨による区分けも可能です。日本円で発行される債券は「円建て債券」、外貨で発行される債券は「外貨建て債券」といいます。

この他、信用格付けによる分類も可能です。格付け会社による格付けが「BBB(トリプルB)」以上の債券を「投資適格債」、「BB(ダブルB)」以下の債券をジャンク債や投資不適格債と呼びます。

様々な種類に分けることができる債券ですが、債券投資における投資家の利益には利子と運用益があります。こうした利益を購入金額で割って求めたものが「利回り」になります。ただし、実際には運用期間により利回り計算も様々あります。

例えば、利付債においては、4つの利回り計算方法があります。新規発行時に購入し、償還時まで保有した場合の利回りを「応募者利回り」といいます。既に発行されている債券を償還時まで保有した場合の利回りは「最終利回り」といいます。債券を償還時まで保有せずに途中で売却した場合の利回りは「所有期間利回り」といいます。投資元本に対して毎年いくらの利息収入があるのかを見る利回りは「直接利回り」といいます。

これらの利回りの計算式は1つの式を覚えるだけで計算可能です。その計算式は、

fp1

なお、償還時には債券は100円で償還されますので、売却価格の部分を100円に直せば応募者利回りや最終利回りが計算できます。残存価格は所有期間と考えてください。直接利回りは利率÷購入価格×100(%)で計算できます。これは上式の分母が残存期間の式を取り除くことで計算できます。このようにして、利付債の利回り計算を行うことができます。

実際には、債券購入をご希望されるお客様に、どの程度の利回りになりそうか試算して説明するときに利用します。こうした試験対策項目は結局のちに活かすことができますので、無理やり暗記するのではなく、理解して解けるようにしていきましょう。

<予想問題>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。
次の各文章を読んで、正しいものまたは適切なものには①を、誤っているものまたは不適切なものには②を、解答用紙にマークしなさい
【問題1】
景気回復などの期待を背景に、海外から日本への投資が活発化することは、為替相場において円安要因となる。

<解答> ×(②)
日本への投資が活発化するということは、日本円が買われることを意味します。したがって、円高要因となります。

【問題2】
同規模・同一業種の銘柄間においては、一般に、PER(株価収益率)の低い銘柄が割安と考えられる。

<解答> ○(①)
PER(株価収益率)は同規模・同一業種間や、同じ企業の過去の数値と比べて低ければ割安と考えることができます。

いかがでしたでしょうか?2級も3級も経済状況や株式はよく出る項目ですね。
それではまた次回、お楽しみに★