証券外務員講座の講師ブログ

政府の経済見通しから見る令和4年度の日本経済②

皆さん、こんにちは。
フォーサイト証券外務員専任講師の伊藤です。

前回に続き、令和4年度の日本経済について考えていきましょう。

■実態はどうか?
前回示した政府の見通しとは裏腹に、世界の経済情勢は刻々と変化し、景気を冷やすような事態も生じています。景気が良い反面で、米国はインフレ懸念から着実に利上げを進めていく年になりそうですし、本稿執筆段階ではウクライナ情勢が世界の金融市場を震撼させています。

米国の利上げは日本政府も織り込んでいると思いますが、急ピッチな利上げは織り込んでいない可能性がありますし、地政学的リスクも見通しには織り込んでいない可能性は十分にあるでしょう。今や世界経済情勢が世界全体の景気を冷やし、結果日本経済にもマイナスの影響を与えることは多々あります。そのため、政府の見通しをそのままそっくり受け止めるのではなく、経済は刻々と変わること、状況によっては想定とは全く異なる状況もあり得ることは理解しておく必要があります。

平年であれば、政府の経済見通しをもとに様々な事柄を検討していけばよかったものの、令和4年度はそうならない可能性があるのです。これはコロナ禍が始まった時も同様です。なお、日経平均株価は世界景気を占う鏡としても利用される側面があります。株価は半年先の状況を示すともいわれます。つまり、実態の確認は株価を見た方が早いということ。そのため、こうした見通しを確認しつつも、足元で陰りはないかどうかを確認するためには株価動向も見ていくべきといえますね。なお、株価は3月16日の米国利上げ以降、戻しています。そのため、短期的な見方はともかく、中期的には政府の経済見通しと乖離せずに動く可能性はあると考えています。

<演習>
一種・二種受験者、いずれも解いてみてください。

次の問題に答えなさい。○✕問題

【問題1】
自主規制機関の一つに、証券取引等監視委員会がある。

<解答> ✕
自主規制機関には、証券取引所(金融商品取引所)、日本証券業協会、投資信託協会があります。証券取引等監視委員会や証券保管振替機構、投資者保護基金は自主規制機関ではありません。