行政書士講座の講師ブログ

蓋し

皆さん、こんにちは!
フォーサイト専任講師・行政書士の福澤繁樹です。

今回は、判例などで使用される難しい言葉のことを掘り下げてみようと思います。

「蓋し」
みなさん、読めますか?
ちなみに、私は読めました(というか、随分前に覚えたというのが正確ですね)

「けだし」と読みます。
けだし、とは何か?
古い判例などによく出てくる言い回しです。
その意味としては、「そうだとすると」「なぜなら」という意味で使用していると思います。

しかし、国語的には、これは誤用だそうです。
けだしとは、①まさしく・ほんとうに・たしかに、②ひょっとしたら・もしや、というのが正しい意味だそうです。
面白いのは、けだしは、①では確認的なニュアンスであり、②では疑念のニュアンスである言葉として使われているということです。

そもそも、蓋という字は、「ふた」の意味で使用されることが多いと思いますが、なぜ、それが、上記のような意味としても使用されるのか、そのあたりの変化の過程が大きな謎です。

古くは明治・大正時代からの言い回しが残る法律の世界ですが、このような言い回しが個人的には嫌いではありません。
皆さんにも、好きな法律独特の言い回しはありますか?

今回は、このへんで。