行政書士講座の講師ブログ

ステマ規制

皆さん、こんにちは!
フォーサイト専任講師・行政書士の福澤繁樹です。

皆さんもご存じのとおり、ステルスマーケティング(ステマ)とは、一般的に、消費者に広告・宣伝と気付かれないように行われる広告・宣伝行為のことを指します。

これまで、日本では、このステマに関する規制はありませんでしたが、2023年10月からステマ規制が始まりました。
規制の建付けとしては、既存の不当景品類及び不当表示防止法の5条3号の「商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するもの」について、内閣府の告示およびそれを受けての消費者庁の運用基準をもって具体化するという具合です(令和5年内閣府告示第19号)。

すなわち、以下のとおりです。

不当景品類及び不当表示防止法の5条3号

内閣府告示
・一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示
・事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示であって、一般消費者が当該表示であることを判別することが困難であると認められるもの

内閣府告示の運用基準としての消費者庁長官決定

以上により、ステマ規制に違反した場合には、景表法5条3号に違反するということになりますので、消費者庁等による、措置命令(景表法7条)や、措置命令に違反した場合の刑事罰(景表法36条等)の対象となるものと考えられます。

※参考 不当景品類及び不当表示防止法5条(不当な表示の禁止)

第5条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。
一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
三 前二号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するもの

今回は、このへんで。