行政書士講座の講師ブログ

官報デジタル化法

皆さん、こんにちは!
フォーサイト専任講師・行政書士の福澤繁樹です。

すでにご承知の方も多いと思いますが、「官報」の電子版に法的な効力を持たせる新法が12月6日、参院本会議で成立しました。新法は、「官報の発行に関する法律(令和5年法律第85号)」です。施行は、2025年になる予定です。

内閣府の説明によると、明治16年に官報が創刊されて以来、官報の発行に関する法律はなく、また法令の公布を官報によって行うことについても、昭和22年の日本国憲法の施行の際に「勅令」が廃止されて以降、このことを明文で定めたものはなく、慣行として行われてきたということです。
こうした中、我が国のデジタル化の象徴として、官報を電子化するため、ウェブサイトによる官報の発行方法等を定める法律が成立したということだそうです。

この新法により、これまでは紙の官報が「正本」扱いだったのが、電子版と法的な位置づけが逆転することになり、その結果、紙の官報は将来廃止されることになるそうです。

今回の法律は、以下の点がポイントです。
・官報の発行主体が内閣総理大臣と法律で明記
・官報に掲載すべき事項、官報の発行方法等を法律で定める
・法令の公布等は、官報をもって行うことを法律で定める
・官報の発行は、ウェブサイトにより行うことを法律で定める、つまりこれまで掲示場や官報販売所等を通じて閲覧・販売されていた官報が、今後はウェブサイトで「いつでも・どこでも・無料で」閲覧することが可能
・ウェブサイトでの公開は、内閣府令で定める「閲覧期間」 継続して行う。ただし、法令や政府調達公告等の情報は永続的に公開
・インターネットを利用することができない方への配慮のため、官報の情報を記載した書面を販売するなどの措置を規定
・災害等の事情が生じた場合には、書面の掲示により官報(「書面官報」)を発行

今回は、このへんで。