行政書士講座の講師ブログ
事業者による合理的配慮の提供の義務化

皆さん、こんにちは!
フォーサイト専任講師・行政書士の福澤繁樹です。

今回は、障害者差別解消法における事業者による合理的配慮の提供が、努力義務から法的義務になったという法改正をご紹介します。

そもそもは、障害者差別解消法では、事業者に対して、合理的配慮の提供を努力義務として規定をしていました。

(改正前の障害者差別解消法8条2項)
事業者は、その事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をするように努めなければならない。

この規定が、2024年4月1日から、以下のようになります。

(改正後の障害者差別解消法8条2項)
事業者は、その事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない。

行政書士試験では、お馴染みの「法的義務」と「努力義務」のお話です。

具体的な例としては、まだまだ集積されていませんが、例えば、試験で筆記が困難な者が、デジタル機器を使用するような場合などを想定するとわかりやすいと思います。一律に「ダメ」とするのではなく、その者の個性に応じた対応を検討することが要求されているということだと思います。

まだまだ知られてない法律ですが、私の所属する人権擁護に関する団体では、このような事例についての研修があるなど、普及に努めている様子です。

皆さんも、ぜひ知ってくださいね。

今回は、このへんで。