子どもの生理機能については、子どもの保健などの科目でほぼ毎年出題されている頻出項目です。
今回は過去問を振り返りつつ、重要な子どもの生理機能を見ていきましょう。
令和5年前期子どもの保健の問8では、以下の問題が出題されました。
選択肢一つ一つを解説していきます。
次の記述のうち、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 子どもは新陳代謝が活発なので、体温は高めである。
B 子どもの血管壁は薄く硬化が少ないため、血圧は大人より高めである。
C 体温は睡眠中の早朝が最も低く、夕方が最も高い。
D 体温は測定箇所で異なり、腋窩温は直腸温より高い。
(組み合わせ省略)
A 子どもは新陳代謝が活発なので、体温は高めである。
正解:〇
成人の平均体温は腋窩(えきか:脇の下のこと)での計測で36~37℃であるのに対し、
子どもはそれよりも少し高い37℃前後が平均体温です。
子どもの新陳代謝が活発である理由は、主に成長ホルモンの分泌が活発であり、
それによって細胞分裂が頻繁に行われているからです。
特に、乳児の場合は皮膚や皮下脂肪が薄いため、
身体の内部の熱が身体の表面に伝わりやすいことも体温が高くなる要因の一つです。
B 子どもの血管壁は薄く硬化が少ないため、血圧は大人より高めである。
正解:×
血圧は低めです。
子どもの血管壁は薄く柔らかいので、血圧が高く大量の血液が流れると血管が切れてしまいます。
また、身体が小さく、送り出す血液量が少ないため、大人に比べて血圧は低くなっています。
C 体温は睡眠中の早朝が最も低く、夕方が最も高い。
正解:〇
体温には日内変動があり、朝方が最も低く、夕方が最も高くなる傾向にあります。
日内変動は、年長児になると鮮明になります。変動差は最大0.8℃程度だといわれています。
D 体温は測定箇所で異なり、腋窩温は直腸温より高い。
正解:×
直腸で測る体温は、腋窩(脇の下)より0.5℃高いです。
なお、口腔は両者の中間といわれています。
脈拍数と呼吸数
脈拍数と呼吸数についても大人と違いがあります。
以下の表(弊社テキスト抜粋)のとおり、年齢が上がるにつれて、その数が減っていきます。
今回学習した子どもの生理機能は、子どもの保健などでよく出題されますので、
しっかりと押さえておきましょう。