保育士講座の講師ブログ

福祉関係八法改正

今回は、1990(平成2)年の福祉関係八法改正とそれまでの流れについて見ていきます。

1980年代から日本の福祉の考え方にノーマライゼーションが浸透し、
障害者や高齢者が可能な限り不便のない生活を過ごせるようにする方針がもたれていました。

そのため、消費税導入などによって福祉予算の確保が進められただけでなく、
費用のかかる施設中心の福祉から、
地域での生活の中で介護を受ける在宅福祉への移行が進められていきました。

1989(平成元)年:「高齢者保健福祉推進十カ年戦略(ゴールドプラン)」
⇒高齢化に向けた対策として数値目標をもって、在宅福祉事業が積極的に進められる
1994(平成6)年:「新ゴールドプラン」
2000(平成12)年:「ゴールドプラン21」
と立て続けに計画が打ち出されました。

1990(平成2)年には、
福祉関係八法改正(老人福祉法等の一部を改正する法律)が行われました。
「生活保護法」を除く福祉六法と
「老人福祉法」、「社会福祉事業法」、「社会福祉・医療事業団法」が改正され、
❶各法への在宅福祉事業(デイサービス・ショートステイ・ホームヘルプサービス)の位置付け
❷老人及び身体障害者の入所措置権の都道府県から町村への移譲
❸市町村・都道府県への老人福祉計画及び老人保健計画(その後、老人保健福祉計画)策定の義務が定められました。

福祉関係八法改正によって、在宅における福祉の取組がさらに進められることとなりました。

これに関連して、地域福祉地域包括ケアシステムの推進が図られ、
施設によらない福祉の体制が進められています。

ちなみに、福祉六法のように「福祉関係八法」という用語が存在するわけではなく、
単に1990(平成2)年に改正された法律8つとしてまとめてこのように呼ばれています。