保育士講座の講師ブログ

活躍する「赤ちゃん職員」

日本の高齢化が進み、高齢者施設が増加しています。
こうした中で、高齢者の心をあたたかくしてくれる職員がいます。

それが「赤ちゃん職員」です。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/134223?display=1
(RKB毎日放送)

このニュースで紹介された福岡県の高齢者施設では、
「赤ちゃん職員」を採用し、高齢者と触れ合う機会を設けています。

施設長のご家族やスタッフのお子さんが施設を訪れた時に、
在所している高齢者が笑顔になったことから、
このアイデアが思い浮かんだそうです。

なお、「赤ちゃん職員」のお給料は、
紙おむつや粉ミルクで支給されているとのことです。

保育士試験の試験範囲では、
少子化対策や子ども・子育て支援といった子ども関連の枠組みがある一方、
社会福祉で高齢者に対する支援や施策についても学習しますが、
子どもの要素と高齢者の要素が融合した施策は、
なかなかないのではないでしょうか。

そうした意味でも、
この施設で行われている「赤ちゃん職員」の採用は、
非常に興味深いです。

また、この取組を通して、
施設に赤ちゃんを連れてくる母親同士や、
高齢者との交流も見られるということも注目すべき点です。

現行の制度においては、
子育て中の親同士交流が可能になる事業があります。

たとえば、
子ども・子育て支援新制度に位置付けられている、
地域子育て支援拠点事業は、
乳幼児及び保護者同士が交流を行う場所を開設し、
子育てについての相談、情報の提供、助言などを行う事業です。

こうした子育て中の親同士の交流に高齢者が加わり、
より複合的な効果が生まれている形が前述の施設の取組だと思います。

保護者は、同年代の親と情報交換ができるだけでなく、
子育ての「先輩」にあたる高齢者からも、
様々なお話を聞くことができます。

また、高齢者にとっても、
小さな子どもとの交流によって笑顔になったり、
子育てをしていた頃を思い出したりして、
心を豊かにすることができます。

前述の施設のような取組が今後さらに増えて、
少子高齢化が進む中でも、
日本社会が明るくなっていけばいいですね。