保育士講座の講師ブログ

教育原理で重要!「幼稚園教育要領」改訂の歴史

今回は、保育士試験の教育原理によく出題される「幼稚園教育要領」の改訂の歴史を
試験に出るところに焦点を当てて、簡単に振り返ってみます。

「幼稚園教育要領」とは?

全国的に一定の教育水準を確保するとともに、実質的な教育の機会均等を保障するため、国が「学校教育法」に基づいて定めている大綱的基準

保育所の運営において基準とされるものが「保育所保育指針」であるのに対し、
幼稚園では「幼稚園教育要領」が運営に用いられています。

 

❶ 「保育要領」の刊行

この「幼稚園教育要領」の前身となる「保育要領」が刊行されたのは、1948(昭和23)年のことでした。
幼稚園、保育所、家庭における幼児教育の手引書として文部省から「保育要領」が刊行されました。
「保育要領」では、幼児期の発達の特質、生活指導、生活環境などについて解説されていました。

 

❷ 「保育要領」から「幼稚園教育要領」へ

政府は、「保育要領」実施後の経験と、研究の結果に基づき、
また現場の要望にこたえる形で1956(昭和31)年に「保育要領」の内容をもっぱら幼稚園教育に全面改訂しました。
幼稚園教育の目標をより具体化し、
教育内容は「健康」「社会」「自然」「言語」「音楽リズム」「絵画制作」の6領域で示しました。
この改訂の際に、名称が「幼稚園教育要領」に改められました。

 

❸ 1964(昭和39)年改訂

幼稚園教育の独自性を明確化するなど内容が改められました。

 

❹ 1989(平成元)年改訂

教育内容が6領域から
5領域(健康、人間関係、環境、言葉、表現)に再編されました。
この5領域は「保育所保育指針」にも用いられています。

 

❺ 1998(平成10)年改訂

「生きる力」の基礎をはぐくむ、
心を育てる場としての幼稚園に位置付けられました。
また、地域の子育て支援が幼稚園の役割として明記されました。

 

❻ 2008(平成20)年改訂

幼児の生活の連続性及び発達や学びの連続性を踏まえた幼児教育の充実が図られました。

 

❼ 2017(平成29)年改訂

幼稚園教育において育みたい資質・能力が明確化されました。
この年には、
「保育所保育指針」「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」も同時に改訂されました。
就学前の教育については、
幼稚園、保育所、幼保連携型認定こども園のどれに通っても
小学校就学後に不利益を被ることがないように、
それぞれの内容が改められました。

 

試験では、❶、❷、❼の内容が問われやすいです。

内容を押さえておきましょう。