保育士講座の講師ブログ

臨界期・敏感期・レディネス

今回は受講生からときどき寄せられる用語について解説していきます。

臨界期敏感期レディネスの3つの用語は保育の心理学でよく出題されている用語ですが、
この3つはよく似ていて混乱しやすいので、ぜひこのブログ記事で覚えていただければと思います。

 

臨界期

 

臨界期とは、その時期を過ぎると、ある行動の学習が成立しなくなる時期をいいます。

動物行動学者のローレンツは、ハイイロガンのヒナが孵化した後、ヒナに自身の姿を見せたところ、
ローレンツを親だと思い追従行動をし続けました。

この追従行動は、その後も消えることはなく、
ローレンツを親だと認識したまま変わることはありませんでした。

この追従行動を始めた時期が、臨界期にあたります。

 

敏感期

 

ただし、人間の場合、運動や母国語の習得といった、成長に適した時期はありますが、
その後でも教育効果がまったくなくなるとはいえません。

臨界期のように厳密ではなく、
刺激が受け入れられやすく学習が行われやすいこのような時期を敏感期といいます。

敏感期は、モンテッソーリがその重要性に注目し、
モンテッソーリ教育に概念を取り入れたことでも知られています。

 

レディネス

 

レディネスは、敏感期とほぼ同義と考えられます。

レディネスは、ゲゼルによって提唱された概念であり、
ある行動や知識を習得するために整うべき状態をいいます。

ゲゼルは、一卵性双生児を被験者とし、階段のぼり実験を行いました。
この実験では階段のぼりの訓練を早くから行っても効果が低い一方で、
身体的に十分な時期がくると、短期間で階段をのぼることができることがわかりました。
つまり、短期間で階段のぼりができた段階はレディネスが成立していたことになります。

 

以上が3つの用語のポイントになります。
保育の心理学を受験される方はぜひ今回解説したポイントを押さえておくようにしましょう。