保育士講座の講師ブログ

出題頻度急上昇?!里親支援専門相談員

社会的養護や子ども家庭福祉といった科目では、
児童養護施設の配置職員についての問題がよく出題されます。

その中でも、

里親支援専門相談員(里親支援ソーシャルワーカー)は出題頻度が非常に高く、
重要な職員として位置づけられています。

直近では以下のとおり、一職員としては高い頻度で関連する問題が出題されています。
しかも10問しかない社会的養護の科目での出題が多く、
令和5年後期については、社会的養護で2つの問題に出題されています。

令和5年後期 社会的養護  問3 配置される施設や業務内容
令和5年後期 社会的養護  問5 業務内容
令和5年前期 社会的養護  問4 配置される施設や業務内容
令和4年前期 社会的養護  問7 乳児院に配置される職員を選ぶ選択肢の一つ
令和4年前期 保育実習理論 問20 【事例】里親支援専門相談員の正しい対応

 

今回は、
試験で目にする可能性が高い
里親支援専門相談員(里親支援ソーシャルワーカー)
についてまとめました。

 

里親支援専門相談員とは?

里親支援を充実するために、2012(平成24)年に設けられた職種です。
児童相談所の里親担当職員・里親委託等推進員・里親会などと連携して、
定期的訪問を含めた里親支援を行っています。
入所児童の里親委託の推進や、退所児童のアフターケア、
地域支援としての里親支援などを行っています。

 

配置される施設は?

里親支援を行う乳児院児童養護施設に配置されます。
※ただし、必ず置かなければならないわけではありません。

配置状況(令和3年10月1日現在)
乳児院    127施設に配置(87.6%)
児童養護施設 421施設に配置(69.0%)

 

里親支援専門相談員になるための資格要件は?

(いずれか1つに該当)
❶ 社会福祉士の資格を有する者であること。
❷ 精神保健福祉士の資格を有する者であること。
❸ 児童養護施設において児童の指導に5年以上従事した者であること、など。

 

なぜ試験によく出題される?

これは紛れもなく、国が要保護児童への支援策として家庭養育を推進しているからです。
1994年に国連総会で「児童の権利に関する条約」が採択された後、日本は1995年に批准しました。
これによって、国内で里親制度の拡充が進められていきます。

2002(平成14)年には里親制度の大幅な改定が行われ、親族里親・専門里親が創設されました。
そうした中、里親委託の推進と里親支援を目的として、
2012(平成24)年に里親支援専門相談員が創設され配置が進められるようになりました。

また、2016(平成28)年に改正された「児童福祉法」において、
要保護児童に対しては、
家庭と同様の養育環境(里親や小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)など)
継続的に養育することとされ、
同時に里親委託の推進が都道府県の業務としてより一層図られることになりました。

2022(令和4)年には、「児童福祉法」の改正が行われ、
里親支援センター児童福祉施設に位置付けられたことにより
積極的な支援が見込まれています。

里親等委託率は、
2011(平成23)年度末の13.5%から、
2021(令和3)年度末には23.5%に上昇しているものの、
未だ大多数の要保護児童の養育は施設にゆだねられています。

このような状況を踏まえ、里親支援専門相談員の役割はさらに重要になっていくでしょう。

今後の試験でも、里親支援専門相談員はよく目にすることになると予想されます。
試験対策として今回のブログ記事の内容は押さえておくようにしましょう。