危険物取扱者乙種4類講座の講師ブログ

第4類の共通事項に関する過去問④

みなさん、こんにちは。

フォーサイト専任講師の姥谷です。

前回は「第4類の共通事項」のうち「消火方法」についての過去問を紹介しましたが、今回も前回に引き続き「第4類の共通事項」のうち「貯蔵・取扱い」についての過去問を見ていきたいと思います。

第4類の危険物の性状および貯蔵、取扱いについて、次のうち誤っているものはどれか。

1.揮発性の大きい危険物の屋外貯蔵タンクには、液温の過度の上昇を防ぐため、タンク上部に散水装置を設けるとよい。

2.危険物を容器に詰め替えるときは、静電気の蓄積に注意する。

3.危険物が入っていた空容器は、内部に可燃性蒸気が残留していることがあるので、火気に注意する。

4.危険物の蒸気は、一般に空気より軽いので、高所の換気を十分に行う。

5.危険物を取り扱う機器、容器等は可燃性蒸気の発生を抑えるため、できるだけ密閉する。

選択肢を見る前に、いつもお伝えしていることですが、問題文をしっかり確認するという作業を怠らないようにして下さい。

この問題において注目してほしい点は、「性状および貯蔵、取扱いについて」という部分です。

何気なく問題文を読んでいると気にならないかもしれませんが、問題文がヒントになっていることがよくあります。

とくに注意を向けてもらいたいのが貯蔵、取扱いだけでなくその前にある「性状」という言葉です。この性状が分かっていれば、おのずと、「どのように第4類の危険物を貯蔵、取扱うべきか」ということが理解できるようになります。

その観点から選択肢4の「危険物の蒸気は、一般に空気より軽いので、・・・」という性状が示されている部分に注目してみます。

ここで思い出していただきたいのが、「第4類危険物の可燃性蒸気は、蒸気比重が1より大きい」という点です。

したがって、低所にその蒸気が滞留しまうため、蒸気を換気装置により、屋外の高所に排出する必要があるため、誤りとなります。

今回は、「第4類の共通事項」の貯蔵・取扱いについての過去問をご紹介しましたが、次回からは「第4類の各物質の特徴」についてご紹介していきたいと思います。