危険物取扱者乙種4類講座の講師ブログ

ニトロベンゼンとは

みなさん、こんにちは。
フォーサイト専任講師の姥谷です。

前回は、第3石油類のうち「アニリン」についてご紹介しましたので、今回は第3石油類のうち「ニトロベンゼン」について見ていきたいと思います。

ニトロベンゼンは、アニリンの原料となる物質で、靴や床の研磨剤、革製品の仕上げ剤などに用いられています。

ニトロ基(—NO₂)を持っていますが、他のニトロ化合物(ピクリン酸やトリニトロトルエンなど)とは異なり爆発性は無いため、消防法上のニトロ化合物(第5類危険物)に属さず、第3石油類に属し、以下のような特徴があります。

▪無色または淡黄色の液体
▪引火点が高い(88℃)ため、引火の危険性は低い
特有の芳香を有している(桃を腐らせたような臭い)
▪有毒な蒸気を発生する
▪水より重い(液比重が1より大きい)
▪水に溶けにくい(非水溶性)
▪還元するとアニリンになる

アニリンの特有の部分として、「桃を腐らせたような臭い」というのは、かなり特徴的な表現かと思いますので、覚えておくと良いと思います。

また、ニトロベンゼンは、前回紹介したアニリンの原料となるため、表現をかえて言うと「還元するとアニリンになる」ということができます。どちらも第3石油類のグループに属します。

今回、第3石油類のうち「アニリン」についてご紹介しましたので、次回は第3石油類のうち「エチレングリコール」についてご紹介していきたいと思います。