危険物取扱者乙種4類講座の講師ブログ

粉じん爆発とは

みなさん、こんにちは。
フォーサイト専任講師の姥谷です。

前回は、燃焼の基礎のうち「混合危険」についてご紹介しましたので、今回は燃焼の基礎のうち「粉じん爆発」について見ていきたいと思います。

粉じん爆発とは、可燃物が微粉末の状態で空気中に浮遊しているとき、何らかの火源により爆発する現象のことです。したがって、粉じんが大きい粒子の場合は、簡単に浮遊しないので爆発の危険性は低くなります。また粉じんが拡散するような開放空間では爆発の危険性は低くなります

微粉末となると空気(酸素)との接触面積が増えるため爆発しやすくなります。
燃えにくいものでも、粉状になると爆発の危険があります。
特徴・性質
粉じん爆発は以下のような特徴・性質を示します。

①有機物の粉じん爆発の場合、不完全燃焼を起こしやすく、生成ガス中に一酸化炭素が大量に含まれることがあるので、中毒を起こしやすくなります。また、すすを含む黒煙が発生する場合があります。

②粒子が燃えながら飛散するので、周囲の可燃物は局部的にひどく炭化したり着火する可能性があります。

③一般にガス爆発に比較して最小着火エネルギーが大きく、発生するエネルギーは大きくなります

④最初の部分的な爆発により、堆積している可燃性粉じんが舞い上がり、次々に爆発的な燃焼が継続し、被害が大きくなります。また、堆積粉が広く存在する場合は、1次の堆積粉を舞い上げて、2次の爆発を起こし、次々にこの過程を繰り返し遠方に伝播することがあります。

⑤可燃性成分は固体粒子であり、気体である酸素分子との均一な混合は不可能であることから、不完全燃焼になりやすいです。
⑥可燃性粉じんと空気との混合気は、可燃性ガスと空気との混合気に比べ比重が大きく、一般的に爆発時の発生熱量が大きくなります。

⑦一般に粉じん雲は、気体と比べて静電気が発生しやすくなります

他の場合と比較して②・⑦を中心に押さえておきたいところです。

今回は燃焼の基礎のうち「粉じん爆発」について、ご紹介しましたことにより、次回からは、「燃焼の基礎に関する過去問」についてご紹介していきたいと思います。