危険物取扱者乙種4類講座の講師ブログ

消火の基礎に関する過去問⑥

みなさん、こんにちは。
フォーサイト専任講師の姥谷です。

前回は「消火の基礎に関する過去問」についてご紹介しましたので、今回も引き続きから「消火の基礎に関する過去問」をご紹介していきたいと思います。

二酸化炭素消火剤について、次のうち正しいものはどれか。
1.化学的に不安定である。
  ……二酸化炭素は火炎に熱せられると一酸化炭素となり、消火中、突然爆発することがある。
2.消火後の汚損が少ない。
  ……粉末および泡消火剤のように機器等を汚損させることはない。
3.電気絶縁性が悪い。
  ……電気絶縁性が悪いので電気火災には使用できない。
4.長期貯蔵ができない。
  ……固体や液体で貯蔵できないため、ガスの状態で貯蔵するが、経年で変質しやすいため、長期貯蔵ができない。
5.人体への影響はほとんどない。
  ……化学的に分解して有害ガスを発生することはなく、また二酸化炭素そのものは無害であることから、密閉された場所で使用しても人体に対する影響はほとんどない。

各選択肢について解説していきます。

1.二酸化炭素は化学的に安定しており、不活性ガスのため火災を窒息消火します。
2.二酸化炭素自体は無色無臭のガスで、消火物に対して化学変化を及ぼしません
3.極めて大きい電気絶縁性を有しています。
4.経年変質がほとんどないため、長期間にわたって安定した貯蔵ができます。
5.酸素濃度を低下させて消火する窒息消火のため、消火剤を放出したとき、密閉された場所に隣接する部分に人がいると窒息して死亡する危険があり、人体への影響が多大です。

よって、正しいものは2になります。
二酸化炭素消火剤は、選択肢2のようにメリットがありますが、選択肢5のように使用する場所によっては、デメリットが生じることもあります。

今回は「消火の基礎に関する過去問」について、をご紹介しましたので、次回も引き続き「消火の基礎に関する過去問」についてご紹介していきたいと思います。