公務員試験対策講座の講師ブログ

やる勉強は基本的に同じ

効率は大事ですし、受験生が必要以上のことをやらなくて済むよう、僕も含め受験産業に従事する人たちは努力しています。

ただ、効率を求めてかえって遠回りをしている受験生の方もお見かけするので、ひとつアドバイスさせてください。

例えば「市役所(地方上級ではない)を受けるから、具体的に何をすればいいですか?」という質問があったとします。
何を言いたいかと申しますと、例えば「市役所に絞った参考書を紹介してください」ですとか、「市役所の問題だけが載っている問題集ってないんですか」という意図を持った質問です。

確かに、例えば実務教育出版の市役所500という書籍は、過去の市役所の問題を抜粋していて、正しく使えば非常に優れたものだと思います。

では「市役所をうけるからそれだけ回しまくれば最短なのか」というとかえって遠回りになるのではないかというような心配です。

実は、そういう500とか350とかのシリーズを学習のメイン教材にしている大学生を意外に目にすることが多いんです。

せっかく購入して頑張って解いているのを、「それは後でよくない?」と聞かれてもいないのに言うのはウルサイおじさんになってしまうので控えています。
ただ「まだその時ではないのでは…」というのは毎年何回も思います。

これらの書籍は
①最初に目を通して試験の傾向を見る
あるいは
②直前期に「仕上げとして使う」「傾向の確認」
の大きく二通りです。
(①は基本、解けないので僕個人としては特にお勧めしていません。)

すなわち、ベースとなる下地がついた後、傾向に合わせて絞り込んでいくという流れをどの試験種を受験するにしろ、取っていくわけです。

大学受験で言えば、いきなり志望校別対策からスタートする人っていないはずです。
数学でいえばチャートや基礎問題精講のようなものから入りますし、英語で言えば単語と文法はみんなやりますよね。

そう考えれば、直前期を除けば、市役所を受ける人も、県庁を受ける人も国家一般を受ける人も「レベルは異なっていたとしても、学習の内容は共通している」というのが自然とはいえないでしょうか。

ちなみに、上述した書籍は逆に言えば、直前期の資料としては有益です。
問題を1年分全問載せてあるので、「これは取れそう」といったような具体的な得点イメージも作りやすいですし、直前期の学習戦略作りにも役立ちます。