公務員試験対策講座の講師ブログ

英文がさっぱり読めない

知らない単語が多くて
「ちょっと何言ってるのかよくわかんない」
とサンドウィッチマン状態になった経験は誰にもあるはずです。

僕も高校時代、何度もそんな経験をしました。
例えば、模試で単語20個ぐらいの文章を和訳する際に、8つぐらい単語がわからず、意識を失いかけた経験があります。

さて、とは言え公務員試験の英文理解は和訳する必要はありません。
選択問題ですから、最後までなんとか可能性を上げることはできます。

令和4年度都庁Ⅰ類B、問7を見ていきましょう。

英文自体はホームページに載らないので、とりあえず、①~③のポイントに従って、文章を読まずに検討してみました。

①「出典」は次の通りです。

(Peter Wohlleben「The Hidden Life of Trees」による)

強引に「木の隠れた生活」とでも訳せましょうか。
どうやら、木の話みたいですね。

②「注のついた単語」は次の通りです。
(注がつくのは単語の暗記大会にならないようにしてくれている、言い換えれば、あくまで「英文理解」ですから、出題者が必要な情報提供を行ってくれているものと僕は考えています。)

* procreation・・・・出産  * conifer・・・・針葉樹  * deciduous・・・・落葉性の
* boar・・・・猪  * beechnut・・・・ブナの実  * acorn・・・・どんぐり
* morsel・・・・少量  * seedling・・・・苗木  * sprout・・・・芽吹く  
* herbivore・・・・草食動物  * demolish・・・・たいらげる

どうでしょうか?
「木」と、「木の実」、「動物」、あるいは「苗木や芽吹きといった小さな木」のお話なのでしょうか。

③「選択肢」です。

1. 木はのんびりとした生活を送っているが、少なくとも年に一度は、仲間同士で相談して、繁殖の計画を立てている。
2. 人々は、猪や鹿に配慮して木の実の採集を来春に行うべきか、それとももう一年あるいは二年待った方がよいか、話し合って決める。
3. 広葉樹は動物たちに木の実を食べつくされないように、仲間同士で話し合って花の咲く年を決めている。
4. 広葉樹は草食動物の大好物である木の実を落とさないことにより、体力のない個体の数を減らし、森の動物の全体数をコントロールしている。
5. 最終的にブナ科の木々が一斉に開花し木の実をつけても、弱った草食動物は生きながらえないため、多くの木の実は発見されずに残される。

①黄色の部分、主語は1,3,4が「木」です。
②緑色の部分は1,2,3で「話し合い」が共通しています。
③水色の木の実は2,3,4,5に入っています。
④ピンクの部分は動物で、2,3,4,5に含まれています。

となると、おぼろげながら答えが見えてこないでしょうか?

実は、正答は3です。

もちろん、こんなにうまくいくことばかりではありません。
検討しやすいような題材を、僕が選んで持ってきているのも事実です。
しかし、こうは言えないでしょうか?

「英文がわからない単語だらけで絶望したとしても、やれることはまだまだ残されている。」