公務員試験対策講座の講師ブログ

知識科目での基本の重要性

「なにごとにおいても基本が大事である!」という校長先生の訓話のような意味ではなく、試験会場での自信にもつながる実践的な内容です。

次の選択肢をご覧ください。

世界の政治体制に関する記述として妥当なのはどれか。
1 フランス及びロシアの大統領は、議院内閣制のもとで議会を中心に選出され、名目的・儀礼的な権限しかもたない。
2 議院内閣制を採用するイギリスでは、政権を担当できなかった野党は、「影の内閣」を組織し、次期政権を担う準備をする。
3 イタリアでは大統領制を採用しており、大統領は議会や裁判所に対して強い独立性をもち、違憲立法審査権など強い権限をもっている。
4 フィリピンやインドネシアは、権力集中制と呼ばれる軍人や官僚中心の政権が国民の政治的・ 市民的自由を制限し、経済開発を最優先する体制である。
5 中国では、全国民の意思は中国共産党に集約されているため、立法府に当たるものは存在しない。
(フォーサイト問題集より)

イタリア…うーん…。フィリピンとインドネシア?となる方もいらっしゃるはずです。
ただ、正答は2のイギリスに関するものです。

各国の政治制度を抑える際、使用する参考書により異なるでしょうが、アメリカ、イギリス、フランスを必ず押さえ、続けてドイツ、中国、さらにやるのであればロシア、イタリアあたりを、もっとやると韓国も抑えていくイメージです。

テキストは何でもかんでも載せることが多いので、テキストをチェックして、覚えていない自分に落ち込むこともあるかもしれません。
どのテキストを使っていたとしても必ず太字で載っている「イギリス」で答えは出ていますよね。

次はどうでしょうか?

各国の国政選挙に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1 日本では、国会の両院議員がそれぞれ異なる選挙制度で選出されており、衆議院は小選挙区比例代表並立制を、参議院は比例代表制のみを採用している。
2 アメリカ合衆国では、大統領選挙は大統領選挙人を通じた間接選挙により行われているが、大統領選挙人は各州に配分されており、その数はどの州も同じである。
3 イギリスでは、上院は非公選議員、下院は公選議員により構成されているが、下院議員の選挙は任期満了の場合に限って行われる。
4 フランスでは、大統領選挙の第1回投票においていずれの候補者も有効投票の過半数を獲得できなかった場合、上位2人による決選投票が行われる。
5 各国の選挙権年齢について見ると、日本とフランスは18歳以上、アメリカ合衆国とイギリスは20歳以上とされている。
(フォーサイト問題集より)

アメリカの選挙権?
いろいろな参考書を使われているでしょうが、これが太字で強調してある方はいらっしゃいますか?

安心してください。
正答は4です。

つまり、公務員試験は
①基本的な問題で多くが構成されている
②マニアックな専門家を求める試験ではない
といった事情から、多くの問題で、どのテキストでも太字になっているような知識で決着することが多いわけです。

裏を返せば、試験会場で「なんだそれ?」となったとしても勝敗を決する箇所になる可能性は低いわけですから、基礎をきっちりやった方は、自信を持ってスルーすることができ、試験中におびえずに済むことになります。

とは言え、「こんなものは載っていなかった」「テキストの端にちらっとだけ書いてあった内容だ」と言い切るためには、基礎はきっちり学習する必要はあります。