大学生の方と接していると
「最近勉強のやる気が出ない」「講義の内容が分からなくなってきた」
という、いつものお悩みに接します。
当然、お話を伺うわけですが、もちろん原因は個々人によって千差万別です。
確かに、中には学習内容を提供する側に理由があるものもあります。
「カリキュラム・スケジュール的にここはしんどいだろうな」
「この論点は苦手にされる方も多いな」
「この受講生はこういうの苦手だろうな」
と、全体のカリキュラム・個人双方を見て僕も感じるわけです。
そんな時は僕からも、その旨を踏まえお声をおかけします。
ただ、そうではないものもあります。
そして、それがぱっと見こちらからはわからず、また本人も気づいておらず、完璧に学習コンテンツのほうに原因があると思い込んでいると大変です。
原因究明に時間がかかり、自身の能力に不安が出たり、最悪、勉強を続けられなくなったりもします。
話を戻すと、具体的には単純に、心理・体調面の問題です。
「失恋した」、「病気の治療を受けている」というレベルであれば本人も自覚します。
それより基礎的な、食事・睡眠のレベルです。
常々僕は、受験勉強はスポーツ、受験生はアスリートだと考えています。
頭の良しあしは無関係、適切なコンディション管理が重要という意味です。
夜更かしをして講義に参加すれば当然理解度は下がります。
バイト代を貯めたいからと、バイトをきつめに詰めているなんてのもそうです。
あるいは、寝る直前までスマホを触っていると睡眠の質は低下します。
ソファーで寝落ちしたら疲れは取れていないことでしょう。
食生活も同じことです。
むしろこのあたりは社会人の受験生の方のほうがご理解いただけるかもしれません。
僕の年齢だと、重い食事をするとコンディションが激下がりするので、日を慎重に選んで食べることになります。
ただ、若い方だと、睡眠・食事に無頓着でもなんとかなったりするので、そこが気づかない原因になりがちです。
「なんかやる気でない」、「できないけど原因がいまいちよくわからない」というかたはこのあたりを一度丁寧に調整すると、さらっとうまくいくかもしれませんよ。
これを書きながら、元・中日ドラゴンズ監督の落合博満氏がかつて書籍で次のようなことを言っていたのを思い出しました。
「精神的なスランプからは、なかなか抜け出すことができない。根本的な原因は、食事や睡眠のような基本的なことにあるのに、それ以外のところから原因を探してしまうからだ。」