公務員試験対策講座の講師ブログ

公務員試験の受験者数減少をどう見ますか?

さて少し前の8月、「国家公務員一般職の受験者数の減少」のニュースが流れました。
国家公務員に限らず、地方自治体でも受験生減少の傾向が全体的にみられるようです。

東京都では一部試験種でSPI3の導入が公表されましたし、その他、公務員試験での様々な試験種での、科目数の減少に関する発表も確認できます。

学生に見向きもされず、「必死で民間の就活に合わせようとしている」という声も周囲で聞いたことがあります。

メディアでは「働き方の問題」「若者のキャリア志向の変化」などがあげられていますが、
このまま公務員はオワコンになっていくのでしょうか?

とは言え、それとは逆に先月、こんな発表もありました。

・「教養区分」の申込者数は4,014人となり、昨年度と比べて1,062人(36.0%)増加し、過去最高となりました。
・ これにより、今年度の総合職試験全体(春・秋合計)の申込者数は18,386人となり、昨年度と比べて91人(0.5%)の増加となりました。

(出典:人事院)

これには、背景として次のような取り組みがありました。

①  受験可能年齢の引下げ
・ 民間企業における採用活動の早期化に対応するため、受験可能年齢を1歳引き下げて19歳(2023年4月1日時点)とし、大学2年生の秋から受験が可能となります。
②  第1次試験地の拡充
・ 札幌市、東京都、大阪市及び福岡市に加え、仙台市、名古屋市、広島市、高松市及び那覇市においても実施します。

(出典:人事院)

となると、ここからひとつ導けるのは
「公務員自体に魅力がない、志望していないのではなく、これまで試験制度が学生から見て、かなり使い勝手が悪かった」
ということではないでしょうか?

それには、時期的なもの、科目のボリューム等もありますが、この点の改善も踏まえながら、公務員試験は形を変えながら存続していくと個人的に考えています。

「試験制度自体」は、その意味でオワコンだったと言えるのかもしれません。

ただ、それは決して「公務員という仕事の重要性」がオワコンになったわけではありません。

最後になりますが、先月25日、人事院に「パーパス」が設置されたニュースをご覧になりましたか?
すなわち、公務員制度の在り方、働き方や給与を横断的に議論する組織で、25年ぶりの設置とのことです。

デジタル化が進展し、人材戦略の重要性が増大する新たな時代を見据え、優秀な人材を公務に誘致する上で不可欠である人材マネジメントのグランドデザイン構築が急務となっています。公務員人事管理の在り方について聖域を設けることなく骨太かつ課題横断的な議論を行うため、各界有識者による会議(「人事行政諮問会議」)を開催します。

(出典:人事院)

熱意ある方が志望しやすく、働き続けやすい環境になることを僕自身も願ってやみません。