公務員試験対策講座の講師ブログ

自治体がSPIやSCOAを導入する理由

タイトルの件、なぜだと思いますか?

① まず真っ先に思い浮かぶのが「受験生の受験準備の負担軽減」ではないでしょうか?

事実、SPI方式にすると受験者数は増加します。

先日の毎日新聞の記事によれば

47都道府県が2023年度に実施した職員採用試験で、採用予定数を満たす合格者を全ての職種区分で確保できたのは大阪府と兵庫県にとどまり、45都道府県で「採用予定数割れ」が生じていた

引用:毎日新聞

とのことでした。

受験生確保はどこの自治体も頭を抱えているところです。

僕が考える次の理由です。

② 「採用コストの削減」

まずSPIやSCOAといった試験は単なる筆記試験ではなく、「採用活動の支援」という目的を持ちます。

SPIの結果には、一人一人の応募者について「面接で確認すべきポイントと質問例」が記載されています。
短い時間で本質を見極めるためのするどい質問例がわかるから、誰でも簡単に面接ができるのです。

(引用:リクルート)

他にも至れり尽くせりのサービスがついてきます。
選考での活用方法のセミナーなんかも開催されていて、忙しい採用担当者にとってはありたいはずです。
性格検査も含め、「単なる点数以外の面」も考察されていることを受験生としては頭の片隅に置いておきたいですね。
とはいえ、分析結果がどうなるかをコントロールすることはできないので、あくまで「そういうものだ」と知っておくだけでかまいません。

③ 筆記試験は(今は)なくせない
そもそも人が集まらないなら、筆記試験なんて廃止すればいいと思いませんか?

とはいえ、業務の吸収力は当然求められるので、その能力の一部をつかさどる筆記試験を完全になくすことは、現時点ではかなりリスキーだと判断されているはずです。

また、面接や論文というのはかなり手間がかかるので、コストの面から難しいと考えられます。
となると、現状、「サービス面も踏まえると、ちょうどいい位置にSPIやSCOAがある」といったところではないでしょうか。

将来的に、AIでの面接や論文採点がポピュラーになれば、そのあたりがシェアを握ってくることも想定されます。