公務員試験対策講座の講師ブログ

氷河期採用をどう攻略するか?

氷河期採用「第二ステージ」

就職氷河期世代試験を令和5年度及び6年度も継続して実施することとし、同試験により政府全体で毎年 150 名以上採用することを目標とする

(引用:内閣府)

令和2年度から4年度までの「集中取り組み期間」についで示された「第二ステージ」における採用期間も今年度まで、となります。
(今後の実施については本ブログ執筆時点では不明です)

まさに僕も氷河期世代ですから、仕事はさておいても、この件に非常に大きい興味を持っていました。
仕事がら、大学生と話す機会が多いのですが、現在とは隔世の感があります。

今は、「ガチな大学生」でも30社程度で内定が出て就活が終わるそうです…。

ちなみに、大学生以外の方は、就職活動で何社ぐらいエントリー、会社説明会に参加されました?

僕の周りでは会社説明会参加数オークションが開催され、

「俺は70社!」
「いーや、俺は100社だ!」

なんて光景がありました…。
(ちなみに、僕は筆記試験が途中から面白くなってきて、興味のない会社も筆記試験は受けに行ったので100社は受けたと思います。)

さて、そんな世代を救済すべく設けられた制度ですが、ニュースでは

倍率600倍!

なんて数字が飛び交い、「そもそも救済する気あるのか?」「20年(30年)越しのいじめ」などという言葉も聞かれました。

このレベルになると、対策は正直困難な気がします。
あらゆる公務員試験に言えることですが、採用枠が1~3人となると、「たまたま」超優秀な人が「たまたま」(地元で働きたい、親の介護がある)で受けに来ていたとして、枠が埋まってしまうからです。
氷河期は特に、「旧帝大を出ていても職にあぶれる」というのはざらでしたから、これは運ゲーと言われても仕方のないところです。

ただ、10人以上枠があれば、そこに入ることは戦略的に可能だと考えているので、今回はその場合について考えてみます。

さて、では攻略することが可能なのかを少し検証してみましょう。

① 申し込みの状況から見る
2023年度 国家公務員中途採用者選考試験(就職氷河期世代) 実施状況によれば、倍率は事務区分では20倍から30倍程度の地域が多く、数字だけ見ると、かなりの難関です。

ただ、まず気づいたのは

「申し込んだだけの人が結構多いな…」

という点です。

引用:人事院

地域にもよりますが、北海道など、申込者数の6割程度しか受験していないところもありますよね。

一方で、次は国家一般職(大卒)の試験です。

引用:人事院

北海道では8割程度が受験しています。

ここから言えるのは、誤解を恐れずに言えば「一部の受験生の本気度がそこまで高くない」と考えられないでしょうか?
公務員試験ほぼすべてに共通しますが、「記念受験が一定数いる」というのは通説です。

したがって、「倍率よりは取り組みやすい試験である」との推測が成り立ちます。

② 問題のレベルを考察する
国家一般職についていえば、氷河期採用の問題のレベルは大卒向けよりは高卒向けに近いとお考えいただいて大丈夫です。

■氷河期採用

引用:人事院

■国家一般大卒

引用:人事院

いずれも「命題」の問題で、使う知識はさほど違いませんが、点数が絡んでいる分、下のほうがごちゃごちゃしているといったところでしょうか。

この場合において、氷河期採用対策としては「高卒向け(初級)の問題をきっちりこなせるようになる」だと言えます。

③ 平均点から考察する
■氷河期採用

引用:人事院

平均点は5割程度の得点、通過に必要なのも6割程度といえますね。

■国家一般大卒

引用:人事院

平均点が6割程度であることを見れば、こちらのほうのハードルが高いですね。
(なお、通過に必要な得点は、基礎能力試験以外の試験との合計点で判断されます。)

④ 学生にはないハードル

やはり大きいのは、

① 受験勉強がひさしぶり
② 仕事を抱えていて受験勉強に多くの時間がさけない

という社会人の資格試験受験生ならではの理由がほぼ、そのまま当てはまると考えています。

まとめますと、以上の4点についてみれば、倍率ほど困難な試験ではなく、「一般的な公務員試験対策のセオリー」と「社会人の勉強方法」を組み合わせれば、対策は十分に可能だといえます。

よろしければ下記の記事などもご覧ください。

自然科学・人文科学の捨て科目 | 公務員試験対策講座の講師ブログ (foresight.jp)

公務員試験の勉強時間=700時間? | 公務員試験対策講座の講師ブログ (foresight.jp)

確かに、決して簡単な試験ではありません。

しかし、僕自身氷河期当時を思い出せば、採用枠自体がなかったり、採用数名のところに万単位のエントリーがあったりで、リク〇ビやマ〇ナビの画面を何度殴りたくなったことか…。
学歴フィルターもありましたし、コネや容姿による選考もはびこっていたと思います。

それと比べればまだまだ対応が可能なものだといえます。

なお、氷河期世代採用試験がSPIのケースもあります。その場合は次の記事なども参考になさってください。

数的処理とSPIの違い | 公務員試験対策講座の講師ブログ (foresight.jp)

同世代の方、一緒に頑張っていきましょう!