公務員試験対策講座の講師ブログ

時事問題対策~政治資金規正法~

さて、毎日のように「政治と金」のニュースを見ますね。
まさに本ブログ執筆のタイミングはちょうど確定申告の時期なのですが、納税者の怒りの声が飛び交っています。
リアルでは税務署に抗議をする人もいたとか、SNS上では「納税の自由」という言葉が飛び交うとか…。

さて、問題になっているのは政治資金規正法。
タイトルでは時事対策と銘打っていますが、社会科学の政治分野で学習した方も多いはずです。

例えばフォーサイトの問題集には次のような肢がありました。
受講生の方はご確認済みでしょうか?

5 わが国の政治資金規正法は、企業から政党への献金を禁止する一方、企業から政治家個人への寄付を促すことで、政治資金の調達の透明性を高めている。また、同法では、政党に対する国庫補助制度を導入し、政治資金に関する民主的統制の強化を図っている。

フォーサイト問題集Q11-2より

政治家個人への献金を禁止しているため、本肢は×です。

とはいえ、授業では一般的に長い時間かけて説明するものではないので、印象に残っている方も少ないかもしれません。
せっかくなので、このテーマをもう少し掘っておきましょう。

(1)規正の目的
①収支の公開・・・公開による国民の監視と批判
②授受の規正・・・政治資金の寄附に対する直接的な規制による癒着や政治腐敗の排除

(2)規正の方法
①政治資金の流れ(収支)及び政治団体の資産を広く国民に公開し、その是非については、国民の不断の監視と批判に委ねることによる規正
②政治資金の流れ(授受)自体について具体的な制限を加えることによる規制及び政治資金の運用について、株券などによる投機的取引で運用することへの規制

今回は(2)の①に違反している点が問題になっています。

なお、政治とお金に関する法律には政党助成法というものもあります。

エ 多くの政党は党員からの党費だけでは政党の運営を行いにくい現状にある。企業や団体から政党への政治献金は、上限が設けられるなど規制されている代わりに、政党に対しては政党助成法に基づき国庫から政党交付金が交付されている。

フォーサイト問題集Q11-3より

正しい選択肢です。

一定の要件を満たす政党に助成を行う制度です。

政党交付金の交付の対象となる政党は、次のいずれかに該当するものとされています。

国会議員5人以上を有する政治団体

国会議員を有し、かつ、前回の衆議院議員総選挙の小選挙区選挙若しくは比例代表選挙又は前回若しくは前々回の参議院議員通常選挙の選挙区選挙若しくは比例代表選挙で得票率が2%以上の政治団体。

出典:総務省出典:総務省

その他のポイントは次の通りです。
・総額は国勢調査の結果(人口)に基づいて国の予算で決定
・各政党への交付金額は、政党に所属する国会議員の数および前回の衆議院議員総選挙、前回と前々回の参議院議員通常選挙の際の得票総数によって決定

なお、政党交付金の交付を受けた政党は、その使途等についての報告書を総務大臣に提出しなければならず、その要旨は官報で公表されます。

さて、今年の試験で「政治とカネ」は狙われると僕は個人的に思っているのですが、皆さんはどう思われますか?