公務員試験対策講座の講師ブログ

数的処理の図形ができない

今回は、数的処理の中でも、「数的推理分野の図形」にしぼります。
受講生の方と接していても、数的推理の他分野や判断推理はしっかり解けるのに、
図形の論点になると苦しそうにする方をおみかけすることがあります。

そのような方のために、今回はちょっとしたコツをアドバイスさせてください。

数的推理の図形分野は「定理や公式の確認」がスタートラインです。

したがって、まずは、必要となる知識(定理や公式)が
頭に入っていなければ、勝負の土俵にすら立っていないこととなります。

例えば、次の問題はどんな知識が前提となっているでしょうか?

問:次の図のように,
直角三角形ABCの∠BACの二等分線と辺BCとの交点をDとする。
ABを2,BDを1とするとき,直角三角形ABCの面積はどれか。

公務員画像
(フォーサイト問題集より)

本問で図形に関して確認されている知識は3つです。

知識①ADは∠BACの二等分線であることからAB:AC=BD:DCが成立する
知識②三平方の定理:(AB)²+(BC)²=(AC)²
知識③三角形の面積に関する公式

せっかくなので、解説しておきましょう。

知識①より、AB:AC=BD:DC

次は図形の知識ではありません。
「内項の積=外項の積」より、AB×DC=AC×BD
AB=2、BD=1なので、AC=2DC

知識②三平方の定理:(AB)²+(BC)²=(AC)²より、

(AB)²+(BD+DC)²=(AC)²

あとは、DCをxとおいて解いていくことになります。
AC=2DCであることから、AC=2x。

(AB)²+(BD+x)²=(2x)²
2²+(1+x)²=(4x)²

展開と因数分解に関する知識だけです。図形でもなんでもありません。

4+1+2x+x²=(4x)²
(3x)²-2x-5=0
(3x-5)(x+1)=0
x=5/3、-1

xは辺の長さですから、正の数です。x=5/3。

最後に、③三角形の面積に関する公式です。
(1+5/3)×2×1/2=8/3

正答は4となります。

図形に関して使うべき知識がわかってからでしたら、
随分と楽になったのではないでしょうか?

また、解説の途中で、「図形の知識ではない」と強調しましたが、
図形ができないと思い込んでいる受講生の中には、図形ができないのではなく、
別の論点の知識や、計算に関する知識が漏れていて
できないというケースも見受けられます。

したがって、図形の論点が苦手な方は問題を解く際に
「どのような知識が漏れていたからこの問題が解けなかったのか?」という
視点をもつことで、効率的に学習を進められるはずです。

実は私も、学校の授業中に
「先生は、なんであんな補助線を急に引けるんだろう…??」と思った経験があります。
今ならわかります。知識があることで、自分の使いやすいような
正しい補助線なんかも引けるようになっていきます。

「図形が苦手、捨てようかな」なんて思われている方がいらっしゃったら、
まずは、問題を解きながら、基礎的な図形の知識の確認を
重視することをオススメいたします。