公務員試験対策講座の講師ブログ

公務員試験の一般知識分野への対処法

「公務員試験の範囲が広すぎる!!」

受験生に共通の悩みではないでしょうか?
もちろん、全科目を同じパワーで勉強していては確実に時間が足りなくなります。

そこで、今回は教養科目の中でも、取扱いに困る一般知識分野への対処法を
あなたと一緒に研究していきたいと考えています。

まず、一般知識分野というのは下記の科目を指します。

4月ブログ② 表1

こんなもの、たとえ大学1年生だとしても、全部完璧にやっていたら
20代があっという間に終わってしまう事でしょう。
日本史をナウマンゾウから復習し、世界史をメソポタミア文明から学ぶ…。

しかも、科目の中には配点が低く、
コストパフォーマンスの面から非常によろしくないものもあります。

具体的な一例を見てみましょう。一般教養科目40点満点のうち、
20点分が一般知能(数的処理・文章理解)残りの20点が一般知識分野の場合です。
(年度によって変わるので、必ずこの割合とは限りません。)

4月ブログ② 表2

そもそも、お若い方はご存じないかもしれませんので補足しておくと、
一般知識分野については軽量化(出題数の減少)の傾向があります。

この例ですと一般知能と一般知識比率は、1:1で等しくなっています。
しかし、かつて、国家公務員採用試験では、25:20の比率でしたが、
今は一般職では一般知能27問:一般知識13問となっています。

地方自治体でも、一般知識の比率を下げる傾向にはあるものの、
増やすという自治体は聞いたことがありません。

つまり、見方としては、「一応試験科目として存在するから、無視はできないものの、
重視されてないからモチベーションもわきづらい厄介者」という線が妥当でしょう。
では、どのように対処するべきかを具体的に見ていきます。

対処法:社会科学社会科学については、
きちんと、過去問を深く解くことをオススメいたします。

理由その①:専門科目で経済原論、憲法や政治学を
学んだ受験生にとっては、非常に簡単な論点が多くを占めています。
したがって、もしあなたが、専門科目のない試験種のみ受ける、
あるいは専門では経済原論をとらない、といった場合でも
これらの科目で対ライバルという視点で不利になる恐れがあります。

理由その②:①とも関連するのですが、
小論文や面接、集団討論への影響も考慮したいところです。

例えば「ワークライフバランスについて」のようなテーマが与えられた場合、
社会分野の労働問題への知識や、現代のワークライフバランスに関する時事問題を
押さえているか否以下で、あなたの言葉の説得力に違いが生じてきます。

知識の披露大会ではないので、知っていればいい、というものではありませんが、
受験生の小論文を読んでいると、「あ、興味持って勉強しているんだな」という方と
そうでない方は、はっきりとわかってしまうから恐ろしいものです。

対処法:人文科学文化・芸術:捨てていいでしょう。
絵画鑑賞は合格後の趣味としてとっておきましょう。
日本史・世界史:全範囲をやるのは苦しすぎます。
オススメしているのはセンターで受験した科目はもちろんのこと、
高校で一通り履修した科目を学習するということです。
一回頭に入れているのであれば、思い出すのは簡単です。
どちらかひとつは通してやっているはずですので、そちらは必ず押さえましょう。

日本史or世界史+地理というのをよくオススメしています。

思想:高校までの科目で倫理に近い科目です。これは学習経験がなくとも、
キーワード暗記で行けるので恐れず、取り組むことをオススメします。

対処法:自然科学
物理・化学:私立文系の受験生で物理や化学に苦手意識があった方で、
すっかり忘れているorやったこともないというのであれば、
とりあえずこの2科目は後回しでいいでしょう。

教科書を全部復習して出ても1問というのはコストパフォーマンスが悪すぎます。

以上を踏まえた上で、直前期に取れそうな論点だけ、
2,3目を通すというやり方で十分です。

地理・生物:一般的には地理や生物は暗記の要素が強く、
とっつきやすいことから、ここを重視するのがセオリーと言えるでしょう。

数学:苦手意識のある方もいるかもしれませんが、関数や方程式の考え方は
数的推理の訓練にもなるので、個人的には全捨てはオススメしていません。

ただし、これらは職種次第です。

例えば、消防の受験については
自然科学の配点が高い自治体があるので、その場合は除きます。

消防で自然科学が重視される理由は言わずもがなで、火災現場に乗り込むにあたって、
「消火器の中身って小麦粉?」などと言われては困るからです。

いくら知識の軽量化と言えど、
職種に応じては安易な軽量化は避けられていると言えます。

他にも、栄養・衛生系の専門職を受験するのであれば
ライバルはこれらの科目は捨てないでしょう。

以上がひとつの目安となります。

もちろん、普通科出身の方ばかりではないでしょうし、
ここまでの学習経験も異なることから全員に当てはまるとは言えません。
重要なのは、「配点の50%~60%程度勉強する」ということです。