今回は、旅行業法令について、通信講座受講生の方からご質問の多かった事柄を整理してみました。
旅行業法の各分野の中で、「取引準則」と呼ばれるものがあります。旅行者との取引に関して、具体的な決まりごとを定めたものです。
実際の取引に関わる規定のため、個々の規定は比較的わかりやすいものです。
しかし、似たような規定や事項が多く、なかなか頭の整理がつかないのが難点です。
その中でも、特に混乱しやすいのが「取引条件の説明事項」・「書面の記載事項」・「広告の表示事項」です。毎年、これらに関しては3〜4問必ず出題されています。
どれにも共通の事項があれば独自の事項もあり、企画旅行と手配旅行とでも違っていて、まぎらわしいものです。
すべての事項を正確に覚えるのは気の遠くなる作業ですが、逆に、すべてを覚えきる必要はありません。効率よく、独自の事項を優先して把握しましょう。
*ここでは、契約成立後に交付する書面を「契約書面」と呼びます。
① 企画旅行と手配旅行の違い
・「旅行業務取扱料金」は、企画旅行契約では説明も記載も不要
・「最少催行人員」は、募集型企画旅行契約にのみ定められている
※受注型企画旅行契約では不要です!
・「輸送の安全に関する事項」「通訳士の同行の有無」は、企画旅行契約にのみ定められている
② 取引条件の説明事項と契約書面の記載事項の違い
・「契約の申込方法・契約の成立に関する事項」は、取引条件の説明にのみ必要
・「契約締結年月日」は、契約書面にのみ記載が必要
・「添乗員が同行しない場合の旅行地における企画者との連絡方法」は、企画旅行契約の契約書面にの
み記載する
③ 広告の表示事項独自の事項
・取引条件の取引条件の説明を行う旨
・旅程管理業務を行う者の同行の有無
以上の各事項は、それぞれ独自の事項であり、他の事項に共通していません。
これらは非常によく出題されるので、これ自体が「正解」ということもしばしばあります。最優先で把握しましょう。