旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ

ミニマム・コネクティング・タイムのポイント

総合試験も、いよいよ今週末に迫ってきました。最後の仕上げに余念のない毎日かと思います。もう少しです。がんばりましょう!
今回は、出題されると厄介なミニマム・コネクティング・タイムのポイントを解説します。

「ミニマム・コネクティング・タイム(Minimum Connecting Times:以下「MCT」)」は、かなりの応用力を求められます。出題される空港により、難易度の差が大きいことも特徴です。

昨年(令和3年度)の試験では久々に出題されませんでしたが、それまでは毎年の定番問題でした。最近の出題は、バンクーバー(H28)、ロンドン(H29)、東京(H30)、ニューヨーク(R1)、ロンドン(R2)の順となっています。バンクーバーを除けば、いずれも世界的な大都市で、近郊に複数の空港を持っており、空港自体も複数のターミナルを有しています。

となると、今年は、そろそろ巨大都市パリかワシントンあたりの番か?という予感もします。どちらも複数空港を持ち、特にパリのシャルル・ド・ゴール空港(CDG)は多数のターミナルがあります。そのため、出題されるときはかなりの難問となります。

一般的なチェック手順は、次の通りです(1.と2.は前後してもかまいません)。この手順に慣れることが、攻略のカギとなります。

1.最終目的地から、乗り継ぐ路線が国際線か国内線か確認する

① 最初の便はほとんどが国際線です。よって、最終目的地が国外か国内かで、次のどれかの乗り継ぎパターンとなります。

  a.国際線から国際線へ → International to International
  b.国際線から国内線へ → International to Domestic

まれに、最初が国内線のこともあります。その場合は、Domestic to Internationalとなります(国内線から国内線への乗継問題は出題されていません)。

② 乗り継ぐ先の目的地が同一国内か国外か判断するには、地理の知識が必要です。問題によっては、これが最大のポイントになるかも知れません。

2.ターミナル又は空港の移動があるか確認する

① ターミナル移動があるときは、Terminal ○ to ○の欄を見ます。

② 空港間の移動は、表の下段にInter-airport ○ to × と表示されます。

それぞれの場合で、1.の乗継パターンに適合したMCTを選びます。

3.MCTを国際線の到着時刻に加算する。答えより乗継便の出発時刻が遅ければ乗り継ぎが可能。早ければ乗継は不可。

以下、選択肢ごとに、上記1.2.3.の手順の繰り返しで確認していきます。

例1)
東京からパリ(CDG)到着が06:25。乗継便は同一ターミナル発で、行き先は国内都市。MCTは1:30
06:25+1:40=07:55 →この時刻以降の便は乗り継ぎが可能。これ以前は乗継不可。

例2)
東京からパリ(CDG)到着が13:10。乗継便はオルリー空港(ORY)発で、行き先は国内都市。MCTは3:00
13:10+3:00=16:10 →この時刻以降の便は乗り継ぎが可能。これ以前は乗継不可。

この読み取り方に慣れてくると、思ったよりも早く問題を解くことができます。MCTは見た目も複雑な資料が提示されますので、「気合負け」しないことが大切です。本来、OAGの各資料は実務用に作られたものですから、簡潔かつ合理的で、わかりやすくできているものです。ただ見慣れていないだけのことです。「必ず解ける」と自信を持ってチャレンジしてください。

皆さんの合格をお祈りいたします!