ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

2008年中の改正事項(2)

今回も、前回に引き続き金融資産運用設計の分野での2008年中の改正事項を
解説します。

これは昨年4月1日の時点ですでに変更されていた事項ですが、ジャスダック
証券取引所における売買方式のうち、マーケットメイク方式が2008年3月21日
をもって廃止され、オークション方式に一本化されました。
このことは、昨年9月と今年1月の試験に2回連続で出題されていますが、
3度目の出題もあり得ますので、ここで、この点について少し詳しく説明して
おきたいと思います。

ジャスダック証券取引所には、それまでマーケットメイク方式とオークション
方式の2種類の売買方式がありました。
オークション方式は、条件の合致する売り注文と買い注文を突き合わせて
取引を成立させる方式で、これは、すべての証券取引所で採用されている通常の
売買方式です。
この方式では、株を売りたいと思っても、買い手がなければ取引は成立しません。
これに対し、マーケットメイク方式は、マーケットメイカーとして届け出ている
証券会社が、常に売買価格を提示し、売買の相手方となって取引を成立させる
方式です。
この方式は、特定の銘柄(マーケットメイク銘柄)について、売買の機会を常時
提供することにより、流動性を確保しようとしたものでした。

ジャスダック証券取引所では、マーケットメイク方式の廃止に伴い、これに
代わる新たな制度として、2008年4月1日から、リクイディティ・プロバイダー
制度を導入しました。
この制度は、銘柄ごとにリクイディティ・プロバイダーとして指定を受けた
証券会社が、毎日必ず自己の売買注文を発注することによって、市場に流動性を
供給するという制度です。
この「リクイディティ・プロバイダー制度」という言葉と意味は、是非覚えて
おきましょう。

金融資産運用設計の分野では、そのほか、日銀が発表する経済指標である
マネーサプライ統計が、2008年6月公表分(5月の速報)から「マネーストック
統計」と名称が変わり、通貨保有者の対象と各指標の範囲も変更されました。
こちらはテキストに変更後の内容が記載されていますので、解説は省略します。

次回は、不動産運用設計の分野の改正事項を取り上げます。