ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

個人年金保険の概要と利用の仕方

以前老後資金2000万円問題があげられたこともあり、老後資金構築を真剣に考える方が増えてきています。資産運用による老後資金構築方法もありますが、まずはリスクを極力取らず着実に老後資金を貯めていく方法を検討すべきでしょう。そこで候補に挙がるのが、個人年金保険です。まずは個人年金保険の概要を把握し、どのように利用していけば良いか確認していきましょう。

■一定期間年金が支払われるケースが一般的
個人年金保険は、生命保険の一種です。契約時に決めた年齢に到達したときに、一定期間もしくは一生涯にわたり年金を受け取ることができます。一般的には、10年や15年受け取ることができる年金保険が多いですが、中には終身受け取れるものもあります。
途中解約をしなければ、受け取る年金額は払い込んだ金額よりは多くなるように設計されています。そのため、着実に老後資金を構築したい方には向いています。なお、個人年金保険契約者が年金受け取り開始前になくなった場合には、それまでに払い込んだ保険料相当額が死亡給付金として支払われます。また、年金受け取り開始後になくなった場合には、受け取る期間が当初から確定されている確定年金に関しては残りの期間分遺族に支払われます。一生涯保障がある終身年金保険や期間限定で途中でなくなった場合にはそこまでしか受け取れない有期年金に関しては、年金受け取り開始後に亡くなれば支払いがストップになります。

昨今の低金利下では、個人年金保険も魅力が薄れてきており、なかなか増えないのが実情です。また、物価が上昇した場合には、それに対応できないのもデメリットと言えましょう。とはいえ、一度加入すると、契約時に定めた返戻率をもとに運用されるため、65歳時などにいくら受け取ることはできるかが明確になる点は老後資金計画を立てやすくメリットと言えます。

そこで、老後資金構築の一手段として、個人年金保険を活用し安定的に貯める選択肢をとりつつ、増やすという観点からは変額年金保険を使うといった方法が考えられます。変額年金保険は支払った掛金をもとに運用し、運用結果によって年金額が変動する保険です。変額年金保険では、運用重視しコツコツ増やす。一方個人年金保険(定額)では着実に増やして老後資金対策を構築するとよいでしょう。
この他、確定拠出年金なども駆使して、老後資金対策を自助努力でできるように提案されていくとよいでしょう。

<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。

次の問題に答えなさい。○✕問題

【問題1】
オプション取引において、特定の商品を将来の一定期日にあらかじめ決められた価格で買う権利のことをコール・オプションといい、他の条件が同じであれば、一般に、満期までの残存期間が長いほど、プレミアム(オプション料)は低くなる。

<解答> ✕
コール・オプションの説明は正しいですが、他の条件が同じであれば、一般に、満期までの残存期間が長いほど、プレミアム(オプション料)は高くなります。

【問題2】
異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が+1である場合、分散投資によるリスクの低減効果は最大となる。

<解答> ✕
異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が-1である場合、分散投資によるリスクの低減効果は最大となります。

いかがでしたでしょうか?

それではまた次回、お楽しみに★