ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

1つの登録で多種多様な金融サービスを仲介できる金融サービス仲介業はじまる

皆さん、こんにちは。
フォーサイトFP専任講師の伊藤です。

本日は、金融サービス仲介業について解説したいと思います。

令和3年11月1日から、金融商品販売法は金融サービス提供法に改称されました。法律の名前が変わるだけではなく、新たな業態として金融サービス仲介業が創設されます。いったいどのような業態なのでしょうか。

■1つの登録で多種多様な金融サービスを仲介可能

金融サービス仲介業とは、銀行・証券・保険すべてのサービスをワンストップで提供する仲介業のことをさします。これまでも、銀行代理業が銀行サービスを、金融商品仲介業は証券サービスを、保険募集人は保険サービスを仲介することができていましたが、業態ごとの縦割り法制により、各業法に基づく許可や登録がそれぞれ必要となっており、ワンストップサービスの提供はなかなかハードルが高かったといえます。

また、特定の銀行や証券、保険会社に所属し、所属金融機関からの指導・監督を受ける必要もあり、その対応への負担も大きかったことから、こうした負担を軽減し、様々な金融商品を横断的に提供できる金融サービス仲介業が創設されることになりました。金融サービス仲介業では、特定の金融機関に所属する必要はありません。金融機関とは業務上のパートナーとして、連携・協働関係となります。そのため、大きな縛りを受けることもなく、仲介業がしやすくなることでしょう。

これにより、1つの登録で多種多様な金融サービスが提供できるようになり、利用者の利便性向上が期待されています。なお、既存の仲介業では、所属する金融機関が提供する金融商品の仲介を行うため、特段仲介可能な金融サービスに制限はありませんでしたが、金融サービス仲介業では、高度に専門的な説明を必要とする金融サービスは仲介不可となっているほか、保証金の供託が求められるようになっています。

こうした新たな動きから、金融サービスをワンストップでオンラインで提供するサービスが拡充すると想定されます。インターネット通販を手掛けるIT企業などが金融サービス仲介業に参入するのではないかと見られています。これは金融業界において脅威とみなすよりは、むしろ金融業界においてさらなる活性化が図られ、市場拡大へとつながると見た方が良いでしょう。また、例えば銀行が保険や証券業の仲介業へ本格参入し、金融サービスを一元的に提供するといったことも考えられます。

<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。

次の問題に答えなさい。

【問題1】
終身保険の死亡保険金の支払いに充てるために必要な保険料の計算に用いられる予定死亡率が高く設定された場合、新規契約の保険料は安くなる。

<解答>✕
終身保険の死亡保険金の支払いに充てるために必要な保険料の計算に用いられる予定死亡率が高く設定された場合、亡くなる人が多くなると想定されるため、新規契約の保険料は高くなります。

いかがでしたでしょうか?

それではまた次回、お楽しみに★