行政書士のスペシャリストによるこっそり裏講義

今回紹介する判例は、憲法判例です(最高裁の平成8年11月8日判決)。

そもそも憲法39条では、「何人も、実行の時に適法であった行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問われない。
また、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問われない。」と規定しています。

この判例では、その問題行為の実行時には、それ以前の判例では「適法」とされていたような行為であったが、その裁判において判例変更をして「違法」とすることが、憲法39条違反ではないのかが問題となりました。

最高裁は、「行為当時の最高裁判所の判例の示す法解釈に従えば無罪となるべき行為を処罰することが憲法三九条に違反する旨をいう点は、
そのような行為であっても、これを処罰することが憲法の右規定に違反しないことは、当裁判所の判例の趣旨に徴して明らかであり、判例違反をいう点は、
所論引用の判例は所論のような趣旨を判示したものではないから、前提を欠く」と判示しました(最判平8.11.8)。

要するに、「判例」とは、そもそも憲法39条の規定する「法」ではないので、
問題となった行為の実行時には、それ以前の判例では「適法」とされていたような行為でも、その裁判において判例変更をして「違法」とすることは、憲法39条違反にはならない、という趣旨です。



福澤繁樹

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